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 番外・実践編も、更に実践編っぽい内容になってきました。本当に「望遠鏡選び」とは関係無いですね。
 しかし、意外に重要かつ、意外によくわからないのが、星を見るときの服装や装備です。ヘタな入門書を見ると、「今から登山にでも行くんですか?」ってな装備を必需品として羅列している事もあります。少しビックリします。
 ここでは、経験を踏まえた実践的な服装と装備を紹介しましょう。あくまで宮崎県基準

1.服装
★夏

 夏と言っても地域や場所によってかなり差がありますが、ひとまず宮崎県内として考えると、平野部では、普通に「夏!」です。ちっとも涼しくありません。
 まぁ霧島・えびの高原まで上がれば、明け方頃に肌寒く感じる位には涼しくなるでしょう。
 むしろ平野部なら、まず気になるのは「蚊」と「汗」だと思います。虫避けは、スプレーよりも塗りつけるタイプの方が効きますが、広い範囲を塗るのは面倒かもしれません。ただ、虫避けを塗っていても、汗をよくかくと、ほとんど効いてないような状態になってしまいます。マメにタオルで汗を吸い取り、制汗スプレーなどもうまく利用しましょう。
 服は、下は通気性の良い長ズボン(作業用など)、上はTシャツにメッシュのジャージのようなものを重ねると、虫避けと風通しが両立できます。メッシュジャージは普通の店でたまに使えるものが売ってたりします。サバイバルゲームに使うBDU(戦闘服)でも、長袖なのに通気性を考慮してあって、柄によってはおしゃれに着られるものもあります。無理せずに長袖Tシャツでもいいかもしれません。

 霧島など山の方でも、おそらくウィンドブレーカーもしくはジャージなどを1枚重ねるだけで大丈夫でしょう。(ただし、眠くなってくると体感温度が低くなるので、ギンギンに起きてる自信の無い人は冬ブルゾンを用意しておきましょう。)

 ちょっと動き回るとすぐ汗をかくので、団扇や扇子などを用意しておくと重宝します。携帯用ウェットティッシュなども活躍します。コンビニなどでも、メンズ用のスーッとする化粧水?が染み込ませてあるウェットティッシュが売られているので、これで顔や首、胸や背中などを拭くと、風が吹いてくると凍死するかと思う勢いで涼しくなれます。クール系化粧水を100円ショップなどで売っている化粧水容器に小分けして持ち歩くのもいいでしょう。

 個人的に現場で最も効果を発揮しているのは、タオルに氷をつくるスプレーです。ハンカチやタオルなどに文字通り氷を作るスプレーで、これで顔や首筋などをジュワーッと冷やして同時に汗も拭き取ると一気に快適になり、お勧めです。

 巻いたバンダナ状の布の中に保湿ジェルが入っていて、水に浸すとジェルが水分を吸収し、気化熱で長時間涼しくなれる、というバンドもあって、筆者も昔買って試しましたが、これは非常に大きな落とし穴があるので、ここではお勧めできません。

★冬
 宮崎とはいえど、冬は普通に寒いものです。明け方には霜柱だって立ちますし、雪こそ(平野部には)降らないものの、風向きの関係で気温は雪が降ってもおかしくない程度まで下がったりします。たまに降りますが。なにせ山手にはスキー場や屋外スケート場があるくらいですから。
 星を見るというのは、言いかえると「じっとしている」という事なので、きちんと防寒していないと体温はどんどん奪われます。大晦日〜元日の年越し参りなど人混みの中を歩き回るのとは少々ワケが違います。
 おそらく、普通の人は「ダウンジャケットの上からダウンジャケットを重ね着したくなる」なんてシチュエーションを体験した事はほとんど無いでしょう。そのくらいの防寒だと考えて下さい。

 下着は普通のものでもいいと思いますが、ユニクロのヒートテックなどの機能性インナー(長袖シャツ&タイツ)を着用するのも効果はあります。ただ、暑くても下着を脱いで温度調整、はできないので気をつけて下さい。。
 その上には普通の服装を着ますが、重ね着する事を考えて動きやすいものを選んで下さい。空気を多く含むようなフリースなどの生地が(上下とも)良いです。
 それから、その上に、外気をシャットアウトする様な素材の上下のオーバーウェアを重ねて、体温で温められた中の空気を外部に逃がさない&外の冷気をシャットアウトして、熱を逃がさなくします。軽めのものなら上下ウィンドブレーカー(手っ取り早いもので、カッパ)、やや重めのものならスキーウェアなどです。通勤通学や普段の外出でも使うようなコートでは全然持ちません、注意してください。

 ただ、スキーウェアというのは、元々スポーツウェアで、運動して体が温まる事を前提にしている物が多いので、星を見てじっとしている場合には保温性が不十分に感じる事があります。(雪は降ってないけど雪が降ってもおかしくない様な風の強い夜とか。)念のため、更にその上から着られるウィンドブレーカーを用意しておくといいでしょう。貼る使い捨てカイロで補強してもいいですが、けっこう「腕」が寒いので、ここは工夫して下さい。本格的に雪山で使う装備を選んでもいいですが、お値段も非常にいいです。
 じっとした状態で一切風を通さず体温を逃がさない設計になっているウィンターウェアとして恐らく最強なのは、冬用のバイクウェアでしょう。氷点下の日でもバイクに乗った吹きさらしの状態で100km/hで走行できる防風・保温性と言うと理解できるでしょうか。ただし、中は普通のジーンズにTシャツ+トレーナーで、その上にこのバイクウェア上下を重ねるだけで、例え真冬の夜明け前でもヘタに歩き回ると汗びっしょり、という位になる物もあるので、逆の意味で注意しましょう。(ちなみに毎年モデルチェンジする季節限定商品なので、冬に買いに行ってもとっくに売り切れ・予約済み、という事が多いです。変なサイズの物、デザインがダサい物は残ってる事もありますが…)
 そこまで本気出して数万円のウェアを揃えるのもどうよ?という人は、秋から冬に季節が変わる頃に出る、ユ○クロのダウンベスト+ダウンジャケット+オーバーパンツの組み合わせを揃えてフリースなどと組み合わせてみて下さい。

 冬の流星観測などではおなじみスタイルですが、いっそ寝袋を使うという手もあります。ヒューマノイドスリーピングバッグ と呼ばれる、寝袋型ウェア、というよりウェア型の寝袋です。身長によっては少し弛んで足をひきずる感じになるものの、脱がずに歩き回る事もできますし、手先には内側からも開けられるファスナーが付いているので、指先だけ出してぬくぬく観測、なんて事もできます。寝袋なので、そのまま寝てもOKです。ファスナーも工夫されているので、コツを掴めば(笑)トイレも大丈夫かもしれません。
 ヒューマノイドスリーピングバッグではなく普通の寝袋(マミー型)を(主に腰や胸から下の)防寒に使ってもいいですが、長方形の「封筒型シュラフ」はこの場合は選ばないで下さい。通称”みのむし”になる、あの寝袋を選びます。封筒型はブランケットの延長で、アウトドア慣れしてない人向けです。使い方にあまり応用は効きません。
 寝袋は元々テントの中で使うことを想定しているので、少しだけ通気性があります。シュラフカバーやエマージェンシーブランケットなどを用意して保温性を補強するか、ある程度服を着込んだ状態で潜り込みましょう。
 寝袋に入っても「手先が寒い・冷たい」という時は手袋をすればいいですが、靴を履いたまま寝袋には入れない(一般的には)ので、けっこう「足先が寒い・冷たい」と感じてくる事もあります。そういう場合はテントシューズ という”足用寝袋”を併用するとポカポカになります。(テントシューズは末端冷え性の日常アイテムとしてもお勧め。)

 一般に冬の観測は、思った以上に頭や耳が冷えてくるので、毛糸の帽子の類のものや、イヤーパッドやイヤーマッフル類は忘れず用意しましょう。ネックウォーマーも非常に有効なアイテムです。効果・動きやすさはマフラー<ネックウォーマーです。ネックウォーマーやイヤパッドは安い作りのでよければダイソーに売ってます。足先が冷えてくる人は、釣具屋などで冬用の暖かいブーツ(長靴?)が売られています。そこまでしなくても…という時には、足用の使い捨てカイロがあります。
 ズボンの裾から寒気が入り込んでくるのを防止するお手軽アイテムとして、自転車に乗る時に裾をチェーンに巻き込まないように絞るゴム+マジックテープのバンドがあります。目的は違えど構造は全く同じものが、サッカー用のストッキングストッパー、ソックスストッパーとして数百円で売ってるので、これでズボンの裾、場合によってはコートやジャケットの袖を絞って冷気遮断に使ってみて下さい。ズボンの裾は効果があります。

 よく登山や冬キャンプの裏技として語り継がれてる、「服の中に新聞紙を巻きつけて着ると暖かい」というのがありますが、ペラペラの新聞紙には保温性は無く、ウィンドブレーカー的な効果を発揮する物だと思って下さい。でもまぁ、効く事は効きます。
 それなら更に進化させて、「服の中にエマージェンシーブランケットを巻きつけて着る」という手段を思いつくかもしれませんが、正直、一時的にはかなり効きます。ポッポッと熱を感じるくらい効きます。でもしばらくすると、かいた汗を一切外に出さなくて、その汗で冷えてきます。脱いだ時の寒さもより一層!なので、この使い方はあまり推奨しません。エマージェンシーブランケットは一番外層に使いましょう。

 手足など末端がとにかく冷えるという人は、体(内臓部分)を温めるような工夫をしてみて下さい。ヒート素材の機能性腹巻などありますし、お腹付近を温める位置に使い捨てカイロを仕込む等の方法があります。

 手袋は用途によって選び分けましょう。スキー用、バイク用、普通の冬用とありますが、スキー用だからと言って必ずしもポカポカとも限りません。風が無ければ100均のグローブでも事足りたりもするので、これは色々試して下さい。
 強攻策として、電熱線を仕込んだヒーター内蔵グローブ、なんてのも存在します。乾電池式、充電式、中にはUSB接続で給電するものもあります。
 まぁ、宮崎とはいえ、真冬の星見はナメない方が身のためです。

★春・秋
 夜間のみならば、だいたい冬の日中の服装で合うでしょう。平地なら、の日の日中の服装の上からウィンドブレーカーやジャージを重ねる程度でも間に合ったりします。
 日々の気温差があるのと、日中と夜間の気温差も大きかったり、かと思うと小さかったりするので、温度調整のやりやすい服装の組合せを考えるといいでしょう。少し背筋がスースーする?という程度なら、首にタオルを巻き付けるだけで済んだりもします。
 昼と夜の寒暖差で夜露が発生しやすいので、「防寒」より「防水」や「防湿」の観点から選ぶと良いかもしれません。長袖Tシャツ+レインウェア(雨ガッパ)なんていう組み合わせもアリです。あえて「星を見る時用」でカッパを買ってきて、背中、脇に切り込みを入れてムレないように換気窓を作る、って方法もあります。(高いレインウァアなら最初からムレ防止機能が付いてたりするんですけどね…)

 春・秋では特にですが、冬でも「日中は暖かかったから」と油断して軽装ウェアを選択して現場で寒さに震えて後悔する事は度々あります。基本的に「気温ナメてた」場合と、「防寒着が荷物になるから」って場合だと思いますが、前者はともかく、後者の場合の対策としては、テレショップですっかりお馴染み『衣類圧縮袋』を活用しましょう。丸めながら空気を追い出す衣類圧縮袋は、最近はダイソーにも売ってます。
 最初から小さくできる「ポケッタブル・ダウンジャケット」ってのもありますが、普通の安売りダウンジャケット(半分くらいダウンじゃなくてフェザーとか)でも、それだけでスポーツバッグがパンパンになりそうな所が、同じスポーツバッグに5〜6着入れられそうな大きさになります。ふわふわセーターを圧縮しておいてウィンドブレーカーと組み合わせて調節する、使うかどうかわからないオーバーパンツを圧縮して準備、という方法もあります。一度お試しを。


2.装備
★基本装備として、オールシーズン(ほぼ)通して持っておきたい物
・普通の懐中電灯
赤い懐中電灯
タオル、バンダナ
・防犯ブザー&携帯電話
・飲み物
・ゴミ袋

 「普通の懐中電灯」は、普通の懐中電灯です。ただ、できるならば、頭に付けて両手が自由に使えるヘッドランプの方が便利です。
 ミニマグライトなど、普段は普通の懐中電灯として使いつつ、必要な時には頭に付けるためのバンドがオプションとして(社外品の場合も)売っているものもあります。
 電池の持ちやサイズ、明るさを考えるとLEDのものが便利ですが、ある程度遠くの物も照らせる光量があった方が何かと便利です。明るさや光の広がりが切り替え・調整できるタイプであれば更に便利です。
 「赤い懐中電灯」というのは、別にボディが赤いと縁起が良いという意味ではなく、光が赤い懐中電灯の事です。星を見ている間は、原則として(周りの人のためにも)普通の懐中電灯は使わず、網膜の細胞をヘタに刺激しない作用(?)がある、赤い色のライトを使います。(詳しくは「暗順応」「桿体細胞」「錐体細胞」でググって下さい。)
 赤LEDの天体観測用ライトもありますが、文具屋や100円ショップで赤いセロファンを買ってきて、2枚重ねで普通の懐中電灯に貼り付けたりするだけでも大丈夫です。最初のうちは暗く感じるかもしれませんが、目が完全に暗闇に順応すると、赤いライトでないと目が痛いと感じるでしょう。ライトによっては、赤いフィルターをカパッと取り付けて、普通のライトとして共用できるものもあります(高いですが)。
 「タオル」は、夏は主に汗拭き用になりますが、冬は補助防寒具にもなり、あると非常に便利です。それ以外にもトイレに行って手を洗ったり、飲み物を飲んで口元を拭いたりと、ポケットやバッグをごそごそ探せない暗闇では重宝します。最近はマフラータオル という物もあります。
 「バンダナ」もタオルの使い方に準じますが、タオルでは大げさかな、という時や、タオルを使うには不便だがハンカチでは役不足、というシーンで役立ちます。冬、襟元から入ってくる風を遮断するのにも使えますし、意外にズボンの裾から冷たい風が入ってくるので、バンダナを裾に巻き付けて冷気をシャットアウトできたりもします。レンズの結露防止でカイロを固定するのにも使います。
 「防犯ブザー」は、昨今はあった方が安心です。人家の少ない場所では、野犬などへの威嚇にも使ったりします。ただし、イタズラで深夜に鳴らしたりしてはいけません。いざという時の警報がイタズラだと勘違いされては身も蓋もありませんし、何より迷惑になります。100円ショップにも売ってますが、きちんとした品質のものを買っておきましょう。
 また、流星観測に行ったグループが強盗傷害の被害に遭うと言う事件が発生しています。山奥の観望地に暴走目的に来る連中もいます。観望地に行ったら、携帯電話の通話範囲である事を確認してから車から出るなど、ある程度の自衛を考えて行動して下さい。
 「飲み物」は、家の中などと違って、喉が乾いても簡単に飲み物を取り/買いに行けなかったりしますから、手元に1本くらいは置いておいた方が良いです。(家で星を見る分にはいらないかもしれませんが)筆者は、星見会や観望会に出かける時には、必ず500mlあるいは1Lのペットボトル1本はコンビニや自販機などで買っていきます。冬ならお茶を沸かしてポットに入れて行くのもプチ贅沢です。
 「ゴミ袋」は、ゴミを入れる袋です。コンビニ袋でもいいですが、星を見に行って、星を見た場所にゴミを捨てて帰ってくる、という事は絶対にしてはいけません。例えゴミ箱が用意してあっても、ゴミは自宅に持ち帰る、それくらいできずに「星が綺麗だね」などとロマンチストぶるなど、ちゃんちゃら可笑しいです。タバコの吸殻のポイ捨てなど論外です。

★荷物に余裕があるなら、用意しておくと便利な物
グランドシート
アウトドア用ミニランタン(電池式)
使い捨てカイロ(通年)
瞬間冷却パック(夏季)

 「グランドシート」は荷物置きとしても、荷物や望遠鏡にかぶせて夜露や雨避け、地面に直接寝転がって全天を見渡すのにも使えますし、何より荷物としてかさばらないので、1枚用意しておくと便利です。思いがけず風が強くて冷たかったりした時など、くるまって風避けにもなります。ブルーシートでもいいですが、実は100円ショップで売ってたりします。
 「アウトドア用ミニランタン」は、懐中電灯とは別に、広い範囲の荷物の場所を把握するために置いておくと便利です。星を見てる間も使う場合は、赤い懐中電灯と同様に赤セロファンを巻くなどして赤色の光にしておきます。最近はボタン電池を使う、親指大かやや大きい程度の超小型LEDランタンもあります。(造りのちょっとチャチなコピー品ならダイソーにも売ってます。)知識があれば自作してもいいでしょう。望遠鏡の三脚にぶらさげておくと、足をひっかけてコケる、という事もなくなったりします。
 「使い捨てカイロ」は、基本は寒いときに暖を取るためのものですが、望遠鏡のレンズの夜露避けとしても使えます。入門書や解説書には「使い捨てカイロは使えない、桐灰カイロを使う」と書かれているものがほとんどですが、実は方法があります。
 使い捨てカイロを夜露避けに使う簡単な裏技に「使い捨てカイロを新聞紙で包む」という方法があります。袋から出して服の中で普通に発熱させ、それから新聞紙1枚程度で包みます。寒さがキツイ時は更にタオルなどを巻いて保温するといいでしょう。かさばるのでカメラレンズには使いにくいですが。(エネループカイロ なら充電式で、使う時だけスイッチを入れて温度切り替えも可能でコンパクトです。)
 「瞬間冷却パック」は冬場に使う事はまずありませんが、夏に飲み物を冷やしたり、簡易的に涼を取る時に使えます。飲み物を冷やすときは、冷却パックと飲み物を一緒にタオルでぐるぐる巻きにしてしまいます。涼を取る時は、タオルにくるんだ冷却パックで体を冷やすのが基本です。釣具屋などによく売っています。買っておいた飲み物が、いざ飲もうとしたら生ぬるくなっていると、けっこう悲しいものがあります。

★輸送手段的に余裕があるなら、用意しておくと便利な物
アウトドア用折り畳みチェア
アウトドア用ミニテーブル
手持ちで使える中〜小型双眼鏡
高さ調節できる折り畳み椅子
自立型タープ(小型テント)
ガスストーブコッヘル

 「アウトドア用折り畳みチェア」は最近は1年中、ホームセンターやスポーツ用品店、釣具屋で売っていますが、疲れても地面に直接腰を下ろさずに済むので便利です。リクライニング機能があるものは、そのまま星空を仰いで双眼鏡などで星を見るのにも便利です。腰を据えて長時間星を見るときにはお勧めのアイテムです。
 「アウトドア用ミニテーブル」もサイズは各種あり、まるでおままごと用みたいな食器類とセットになった子供サイズの物から、パタパタと畳んでコンパクトになるアルミ製の1人用ちゃぶ台 のようなもの、バッグ型になる折り畳み式テーブルもありますが、地面に直接物を置かなくていいのでアイピース類の取扱が楽になったり、ライトや星図などを乗せておいたりもできます。テーブルと椅子が一体になってる折り畳みピクニックテーブル もありますが、ヘタに大きさを欲張らない方がいいでしょう。公園やキャンプ場などで備え付けのテーブルがあるなら、それを利用した方が便利かもしれません。
 「手持ちで使える中型双眼鏡」は、口径mm÷倍率の値(射出瞳径)が「4または5以上」になる、倍率8倍以下の物が良いでしょう。倍率は7倍や6〜5倍と控えめにした方が逆に使い勝手は良くなります。倍率が10倍以上になると、重くなったり手ブレが酷くなって見たいものもうまく見えなくなるので、しっかりした三脚の使用が必要になります。低倍率の双眼鏡は、星空を流し見したり、肉眼ではよくわからない暗い星雲星団を探すのにとても威力を発揮します。流星群観測でも、あると絶対重宝します。メガネを使っていないなら、2.3倍のワイドビノもお勧めです。
 「高さ調節できる折り畳み椅子」は、まぁ持ち運びの事を考えなければ折り畳みでなくてもいいんですが、望遠鏡を長時間、楽な姿勢で覗き続ける場合には、有ると無いとでは疲れが全く違ってきます。立って覗くより当然楽で、体がフラフラ揺れなくなるので目も首も疲れません。高さ調節ができないと、望遠鏡の角度によって接眼部の高さが変わるのに対応できません。調節幅の広いものを選びます。
 「自立型タープ」は、通常は夏、海水浴場でビーチパラソル代わりにして使うテント状のものです。物によっては天井が小さいですが、よく探せばちゃんとした天井を備えた物もあります。設置が(比較的)簡単で、収納すれば(比較的)コンパクトで、荷物置き場にしたり星図を広げて置いておくと、夜露避けにもなります。念のため撥水剤(塗るタイプ)を重ね塗りしておくと、急な夕立の雨宿りにも耐えます。夏場なら仮眠も取れます。(虫は防げません)
 放り出すだけで勝手に広くワンタッチテントもありますが、物によっては畳むのが難しかったり、収納してもあまり小さくならないので、この場合は大きさを欲張らない様にしましょう。
 「ガスストーブとコッヘル」は、ストーブというより折り畳みのコンロで、コッヘル(クッカーと呼ぶ事も)とはよくキャンプなどで使う金属製の食器です。屋外でお湯を湧かしたり、食事も作れます。(いわゆる暖房器具の方は「ヒーター」と呼びます。)長期の旅行に行くわけではないので、ガスボンベの容量は小さいものでも大丈夫でしょう。ボンベはよく流通している入手しやすいタイプかどうか確認して選びます。ボンベが流通していないと役に立ちません。家庭用カセットコンロのボンベが使える折り畳みのものもイワタニから出ています。明け方まで粘ったりするような場合は、持っておくと絶対に便利です。(缶コーヒーなどはコッヘルでお湯を湧かして、そこに缶を浸けて温めます。直火にかけてはいけません。)
 コッヘルにも1人用、2〜3人用などあり、また鍋・鍋・フライパン(蓋)・皿・カップなどがセットになっているものや、鍋・フライパン(蓋)・ケトル(やかん)・カップがセットになっている物など色々あります。どのセットも基本的に1つにまとめて収納できるので、用途目的に合わせて選ぶと楽しいです。経験上、コッヘルはチタン製の物よりアルミ製のものの方が料理が焦げにくく、使い勝手自体は良いです。取っ手やカップの縁が熱くならない素材になっているか確認しましょう。カップの縁が熱くなると、スープもコーヒーも冷めるまで飲めません。
 最近アウトドアではダッチオーブンが人気ですが、天体観望メインの時にダッチオーブンなんか使ってる余裕はまずありません。でもまぁ持ってると面白いです。
 箸は割り箸からチタン製の折り畳み/分割収納式マイ箸 まで各種あります。スプーン・ナイフ・フォークが合体収納できる物は使い勝手が良くない事が多いです。単品もしくは合体しないものが良いでしょう。(日本のアウトドア食でナイフはまず使いません)

★腰を据えてアウトドアライフとして楽しむのに便利な物
タープ
テント
マット類
空気まくら
広帯域受信機

 「タープ」は、前述の自立型タープではなく、”壁のない三角テント”みたいなアレです。立ったまま出入りできる程度の高さが稼げるので、望遠鏡の格納スペースとしても、調理・食事エリアとしても休憩エリアとしても使えます。(調理は出入り口付近で、火が燃え移らない様に。)
 値段も安価で、収納すればコンパクトになりますが、設営にコツが必要です。三角テントを1人でも余裕で設営できるぜ、という人なら、1人で設営可能です。なんとか設営できる、という人は、2人くらいで協力すれば設営できるでしょう。三角テントの設営ができない、設営の仕方を知らない人には無理かもしれません。
 一応説明書くらいは付いていますが、一度、どこかの公園などで設営の練習をして、各ロープをどの長さでどう張ったかをチェックして印を付けたり、位置決めをする目安を付けやすい工夫や細工をしておくといいでしょう。慣れれば1人で5分か10分で設営できるものです。タープには、できれば予め撥水剤(塗るタイプ)を塗っておきましょう。多少の雨にも負けなくなります。(ホームセンターなどで売っている、スプレー式撥水剤は過去に死亡事故があった関係で、安全性優先のため薬剤が薄くなっていて、テントなどには焼け石に水です。)
 ワンボックスやRV、ミニバンなどで移動するなら、片側を車のルーフやハッチバックに吸盤で貼り付けて、反対側はペグなどを使う、半自立型のカータープという物もあり、手軽な割に広くて設営も簡単です。
 「テント」の方は、人間が寝泊まりするための物です。1人なら2人用、2人なら4人用、という具合に、2倍の人数用のテントを用意すると、荷物も入れられて、かつ寝るのに十分な広さも得られます。大人数の場合は、せいぜい4人用のものを2つ3つ設営する方が、荷物も小さく労力も少ないでしょう。うかつな山小屋サイズのものは持て余し気味になります。
 最近はほとんどが自立型ドームテントですが、自立型三角テント(モンベル・ムーンライト3型など)もあります。室内の広さは、ドームテントの方が天井が開けている分だけ広くなりますが、畳んだ時には三角テントの方がコンパクトになります。設営の難易度は、だいたいメーカーによって異なります。
 ホームセンターなどで売っている安いタイプは、いざとなったらテント以外に逃げ込める場所がある、車を使った”家族アウトドアごっこ”用で、設置がものすごく簡単な反面、本格的な野外生活には耐えない素材・強度・居住性(防水や換気)だったりするので、できれば購入前にテントに詳しい人と一緒に実物を見て確認して下さい。特に「せっかく買うんだから長く使いたい」「防災用としても使いたい」という場合はケチらない様にしましょう。星見の時の荷物置き・休憩・仮眠の移動部屋、というレベルであれば安い物で構いません。ただ換気がよくできる物でないと、夏はテントの中で熱中症で死ねます。
 車で移動して車中泊で済ませる人も多いですが、ラゲッジスペースが広く取れる車種やフルフラットになる車種、キャンピングカーはともかく、運転席や助手席で寝ると寝返りも打てず、足の位置もほぼ固定されるので思ってる以上に安眠はできません。ヘタをすると(よく地震災害での避難生活でニュースになる)エコノミークラス症候群を引き起こして命の危険が危ないので、仮眠ではなくガッツリ眠る場合はテントを使用しましょう。
 「ウレタンマット類」はテントマット等とも呼びますが、テントの中や地面に敷いて、寝転がる時に地面のゴツゴツや冷気などを直接感じなくて済むように使います。流星観測で地面に寝転がる時にも使ったりします。海水浴で使うような空気で膨らませるエアマット(フロート)は背中がムレたり体勢が安定せず不向きです。エアマットなら、畳んだ状態から広げると自分で空気を吸い込むタイプのものを選びます。(畳む時に空気を押し出す構造です。)
 マットの片面にアルミシートが貼り付けてあるものは、「見た目」ではなく「熱を反射する為」なので、使うときには表裏を考えて使い分けて下さい。夏にアルミ面を上にすると、背中が熱くて寝苦しくなったりします。両面アルミのタイプは、熱くなっても諦めて下さい。冬場は両面アルミのタイプがお勧めです。。
 「空気まくら」は要するに空気を入れて膨らませる枕ですが、テント泊でも、一晩みっちりの流星観測でも、これがあると首への負担が少なくて済みます。荷物や丸めた衣類などで代用する事もありますが、畳めばポケットに入る程度の大きさなので、1つ持っておくといいでしょう。アウトドア・旅行用品として売っています。
 「広帯域受信機」は、一昔前ならBCLラジオと呼んでいたような類のもので、AMもFMも、中波〜短波〜VHF〜UHFまでカバーします。退屈な時のラジオとして使ってもいいですが、海外からの標準時刻放送を受信するのにも使えます。大きさは最近は携帯電話と大差無い程まで小型化されたので、荷物として邪魔にもなりません。航空無線や鉄道無線、タクシー無線なんかも聴けたりします。周波数を事前に調べておけば、地域の防災無線なども受信できます。(ガイドブック周波数帳は書店で売ってます。)アンテナは社外品のものも各種選べるので、長めのもの、短めのもの、車戴用と使い分けるといいでしょう。

★あると時々便利だったりする物
・方位磁石
・星図、星雲星団ガイドブック、スマホ・タブレット
・蓄光キーホルダー類
・レンズクリーニングキット
・音楽プレーヤー
携帯型工具

 「方位磁石」は、星が見えていればだいたい方位がわかりますが、雲や光害で必ずしも正確な北が特定できるとは限らず、赤道儀の設置などに難儀する事があります。特に普段の生活圏とは違う観望地では方角がわかり難いので、バッグの中に1つ入れておくと便利です。最初は100均の物でも十分でしょう。
 「星図、星雲星団ガイドブック」は、機材や環境、各人のレベルに合わせて選んで持っておきましょう。水濡れ対策されていない本もあるので、夜露対策には注意しましょう。ヘロヘロのカパカパになってしまいます。星座早見盤は星座の大まかな位置を探す物で、観測対象を探すには向きません。最近はスマホアプリ(iステラ、スマートステラ、星座表、等々)でほとんど事足ります。
 「蓄光キーホルダー類」は、よく寝室の電灯のスイッチ紐に付ける物が売られていますが、これを、足をひっかけそうな椅子の脚とか、見失いそうなバッグに付けておくと、本当の暗闇の中ではかなり見つけやすくなります。
 「レンズクリーナーキット」は、うっかりレンズを思いきり汚してしまって家に帰るまで待っていれられないような時に使用します。堀内カラーのHCLクリーナーキットが必要なものが1パッケージに入って通販・カメラ店などで手に入ります。メガネ拭きなどで代用しないで下さい。
 「音楽プレーヤー」は、娯楽用というより眠気覚ましとして使います(静かすぎると眠くなります)。ヘッドホンではなく小型のスピーカーで鳴らせば、耳を塞がずに済むので安全でしょう。プラネタリウム風のヒーリングミュージックを集めて入れておいても楽しめます。もちろんラジオ好きならラジオで構いません。ボリュームは控えめに。
 「携帯型工具」は、狭い場所で使うために小さく作ってある普通の工具を用途に応じて選んでまとめてもいいですし、サバイバルツールみたいに各種工具が1つにうまいこと収められているものもあります。自転車用に後者のタイプで、ドライバからレンチ・スパナまで揃った実用的なものが用意されています。予期せぬ機材トラブルや調整などに対処できるので、「もしも」の為に用意しておくといいでしょう。けっこう妙な(面白い)機能が付いている物もあります。そんなもん使わないよ、という人もいますが、筆者はけっこう頻繁に使用します。(そして、みんなが借りにきます。)せめて±ドライバーはアイピース類と一緒にケースに常備しておきましょう。(筆者の場合、プライヤー、ヤスリ、ナイフ、簡易ドライバーが折り畳みでキーホルダーになるレザーマンのSquirt P4は必需品と化しています。)

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LEDランタンの自作方法の例

LEDランタンの作り方は比較的簡単です。
まず基本となる、LEDの点灯回路の作り方から。
材料:

以上です。

 スイッチを省略して、使うときだけ電池を入れる、もしくはパッケージ類のアクリル板を電池と電池ボックスの接点に挟み込む方法でもいいでしょう。
 CRDは、明るく点灯したい場合は15〜20mA(20mAのCRDは無いので、10mAを2本並列に使う)を、暗く点灯したい時は5mAか1mAくらいの物を選びます。ヘタするとLEDよりCRDの方が高いかもしれませんが、LEDを過電流で飛ばす心配もなければ、電池の電圧に比較的無頓着でも大丈夫です。15mAか10mAで使うのが、明るくてLEDの寿命も電池の寿命も延びると思います。流せる電流の上限(iF)は製品により異なりますが、一般的には20mAです。
 電池は、赤LEDなら2.4V以上、白LEDなら3.6V以上あればまずOKです。9V電池(006P)でも、12Vにいきなり接続しても(このCRDを使う回路なら)大丈夫なので、ポータブル電源でも使えます。ただし、LEDを2本以上直列で点灯させる場合は、この電圧の本数倍(赤LED2本なら4.8V、3本なら7.2V、4本なら9.6Vといった具合)が必要です。並列の場合は、電圧は問題ありませんが、LEDと同じ数だけCRDが必要です。
 乾電池式で長持ち&低コストに使おうと思ったら、単4電池4本用の電池ケースに、サンヨーのエネループ充電池4本の使用を推奨します。充電器は別として、アルカリ電池使用に対して10回の充放電で元は取れます。
(※CRDではなく普通の抵抗を使って、オームの法則R=E/I(抵抗値=電圧÷電流)で電流値を制御する事もできますが、電圧によって電流が変化するので、接続予定での電源電圧からLEDの順電圧(vF、直列の場合は合計値)を引いたものをEに代入して計算で求めて下さい。LEDの順電圧は製品によってバラバラです。この説明の意味がわからない人は、おとなしくCRDを使ってください。

 あとは、極性を間違えないように電池ボックス、スイッチ、LED、CRDを半田で繋げて、配線がショートしない様に適当に絶縁処理すれば、回路は完成です。
 LEDの極性を逆にすると当然点灯しませんが、CRDの極性を逆にすると、LEDが飛びます。LEDは足の長い方が[+]短い方が[−]、CRDは線が引いてない側が[+]引いてある側が[−]です。

 回路が完成したら、適当なプラケースなど(例えば白いフィルムケースとか)に穴をあけてLEDを突っ込んでしまえば、それでもうランタンになります。
 最近はレンズカットが「M」になってる、無指向性(拡散型)のLEDがあるので、これを使えばもっと配光がフラットになります。無指向性が売ってない場合は、我慢して使うか、シリコンゴムの拡散キャップを被せる、荒業としてLEDのレンズ部分をヤスリで削る、グルーガンのグルーやボンドなどを塗って拡散させる、という方法もあります。荒業に関する責任は持ちませんが。
 無指向性もしくは拡散キャップを被せた場合は、そのまま直接ランタンとして使えます。「真上や真下なんか照らさなくていい、横方向に光を拡散させたい」という場合は、何か適当に紙とアルミ箔か何かでリフレクタを工作して下さい。筆者もかなり適当にアルミ箔で拡散させてます。

 基本的に配線作業は半田付けで行います。半田ごてを持ってない人・うまく使う自信の無い人は、端子と配線、配線と配線同士を絡めてきちんと結びつけた後に、グルーガンで固めてしまって下さい。スイッチや光の拡散に使うフィルムケースなども、この作業で一緒に固定できます。
 グルーガンが無い場合は、100均やホームセンターなどでグルーガン用のグルースティック(熱で溶ける樹脂)だけ買ってきて、ライターで先端を熱し、溶けて透明っぽくなってきたら水あめの様になるので、これを「べちょ」と端子にくっつけて、冷やして固めればOKです。テープなどでやるより配線が外れる危険もショートする危険も大幅に減らせます。
 半田ごてが使える人は、配線は熱収縮チューブなどで絶縁+補強しておけばいいでしょう。グルーガンも熱収縮チューブも扱い自体は非常に簡単です。

 まぁ、そこまで頑張って自作してもいいですが、最近はダイソーとかに105円でLEDランタンが売ってたりするので、そっちの方が安上がりな気もします(笑)。「安価に入手しやすい電池を使用してるかどうか」を確認して購入するといいでしょう。
 欲を言えば、さすがに100均の物にはあまりいいLEDは使われていないので、LEDだけ換装すると遥かに明るくなったりはします。まぁ、そこまで凝るかどうかはお任せします。