番外・実践編も、更に実践編っぽい内容になってきました。本当に「望遠鏡選び」とは関係無いですね。
しかし、意外に重要かつ、意外によくわからないのが、星を見るときの服装や装備です。ヘタな入門書を見ると、「今から登山にでも行くんですか?」ってな装備を必需品として羅列している事もあります。少しビックリします。
ここでは、経験を踏まえた実践的な服装と装備を紹介しましょう。←1.服装
★夏
夏と言っても地域や場所によってかなり差がありますが、ひとまず宮崎県内として考えると、平野部では、普通に「夏!」です。ちっとも涼しくありません。
まぁ霧島・えびの高原まで上がれば、明け方頃に肌寒く感じる位には涼しくなるでしょう。
むしろ平野部なら、まず気になるのは「蚊」と「汗」だと思います。虫避けは、スプレーよりも塗りつけるタイプの方が効きますが、広い範囲を塗るのは面倒かもしれません。ただ、虫避けを塗っていても、汗をよくかくと、ほとんど効いてないような状態になってしまいます。マメにタオルで汗を吸い取り、制汗スプレーなどもうまく利用しましょう。
服は、下は通気性の良い長ズボン(作業用など)、上はTシャツにメッシュのジャージのようなものを重ねると、虫避けと風通しが両立できます。メッシュジャージは普通の店でたまに使えるものが売ってたりします。サバイバルゲームに使うBDU(戦闘服)でも、長袖なのに通気性を考慮してあって、柄によってはおしゃれに着られるものもあります。無理せずに長袖Tシャツでもいいかもしれません。霧島など山の方でも、おそらくウィンドブレーカーもしくはジャージなどを1枚重ねるだけで大丈夫でしょう。(ただし、眠くなってくると体感温度が低くなるので、ギンギンに起きてる自信の無い人は冬ブルゾンを用意しておきましょう。)
ちょっと動き回るとすぐ汗をかくので、団扇や扇子などを用意しておくと重宝します。携帯用ウェットティッシュなども活躍します。コンビニなどでも、メンズ用のスーッとする化粧水?が染み込ませてあるウェットティッシュが売られているので、これで顔や首、胸や背中などを拭くと、風が吹いてくると凍死するかと思う勢いで涼しくなれます。クール系化粧水を100円ショップなどで売っている化粧水容器に小分けして持ち歩くのもいいでしょう。
個人的に現場で最も効果を発揮しているのは、タオルに氷をつくるスプレーです。ハンカチやタオルなどに文字通り氷を作るスプレーで、これで顔や首筋などをジュワーッと冷やして同時に汗も拭き取ると一気に快適になり、お勧めです。
巻いたバンダナ状の布の中に保湿ジェルが入っていて、水に浸すとジェルが水分を吸収し、気化熱で長時間涼しくなれる、というバンドもあって、筆者も昔買って試しましたが、これは非常に大きな落とし穴があるので、ここではお勧めできません。
★冬
宮崎とはいえど、冬は普通に寒いものです。明け方には霜柱だって立ちますし、雪こそ(平野部には)降らないものの、風向きの関係で気温は雪が降ってもおかしくない程度まで下がったりします。たまに降りますが。なにせ山手にはスキー場や屋外スケート場があるくらいですから。
星を見るというのは、言いかえると「じっとしている」という事なので、きちんと防寒していないと体温はどんどん奪われます。大晦日〜元日の年越し参りなど人混みの中を歩き回るのとは少々ワケが違います。
おそらく、普通の人は「ダウンジャケットの上からダウンジャケットを重ね着したくなる」なんてシチュエーションを体験した事はほとんど無いでしょう。そのくらいの防寒だと考えて下さい。下着は普通のものでもいいと思いますが、ユニクロのヒートテックなどの機能性インナー(長袖シャツ&タイツ)を着用するのも効果はあります。ただ、暑くても下着を脱いで温度調整、はできないので気をつけて下さい。。
その上には普通の服装を着ますが、重ね着する事を考えて動きやすいものを選んで下さい。空気を多く含むようなフリースなどの生地が(上下とも)良いです。
それから、その上に、外気をシャットアウトする様な素材の上下防寒着を重ねて、体温で温められた中の空気を外部に逃がさない&外の冷気をシャットアウトして、熱を逃がさなくします。軽めのものなら上下ウィンドブレーカー(手っ取り早いもので、カッパ)、やや重めのものならスキーウェアなどです。通勤通学や普段の外出でも使うようなコートでは全然持ちません、注意してください。ただ、スキーウェアというのは、元々スポーツウェアで、運動して体が温まる事を前提にしている物が多いので、星を見てじっとしている場合には保温性が不十分に感じる事があります。(雪は降ってないけど雪が降ってもおかしくない様な風の強い夜とか。)念のため、更にその上から着られるウィンドブレーカーを用意しておくといいでしょう。貼る使い捨てカイロで補強してもいいですが、けっこう「腕」が寒いので、ここは工夫して下さい。本格的に雪山で使う装備を選んでもいいですが、お値段も非常にいいです。
そこまで本気出して数万円のウェアを揃えるのもどうよ?という人は、秋から冬に季節が変わる頃に出る、ユ○クロのダウンベスト+ダウンジャケット+オーバーパンツの組み合わせを揃えてフリースなどと組み合わせてみて下さい。冬の流星観測などではおなじみスタイルですが、いっそ寝袋を使うという手もあります。人形寝袋と呼ばれる、寝袋型ウェア、というよりウェア型の寝袋です。身長によっては少し弛んで足をひきずる感じになるものの、脱がずに歩き回る事もできますし、手先には内側からも開けられるファスナーが付いているので、指先だけ出してぬくぬく観測、なんて事もできます。寝袋なので、そのまま寝てもOKです。ファスナーも工夫されているので、コツを掴めば(笑)トイレも大丈夫かもしれません。
アウトドアチェアなどに座って普通の寝袋を(主に腰や胸から下の)防寒に使ってもいいですが、長方形の「封筒型シュラフ」はこの場合は選ばないで下さい。通称”みのむし”になる寝袋(マミー型)を選びます。封筒型はブランケットの延長で、アウトドア慣れしてない人向けです。使い方にあまり応用は効きません。
寝袋は元々テントの中で使うことを想定しているので、発汗対策で少しだけ通気性があります。ブランケットなどを重ねて保温性を補強するといいでしょう。一般に冬の観測は、思った以上に頭や耳が冷えてくるので、毛糸の帽子の類のものや、イヤーパッドやイヤーマッフル類は忘れず用意しましょう。ネックウォーマーも非常に有効なアイテムです。効果・動きやすさはマフラー<ネックウォーマーです。ネックウォーマーやイヤパッドは安い作りのでよければダイソーに売ってます。足先が冷えてくる人は、釣具屋などで冬用の暖かいブーツ(長靴?)が売られています。そこまでしなくても…という時には、足用の使い捨てカイロがあります。
ズボンの裾から寒気が入り込んでくるのを防止するお手軽アイテムとして、自転車に乗る時に裾をチェーンに巻き込まないように絞るゴム+マジックテープのバンドがあります。目的は違えど構造は全く同じものが、サッカー用のストッキングストッパー、ソックスストッパーとして数百円で売ってるので、これでズボンの裾、場合によってはコートやジャケットの袖を絞って冷気遮断に使ってみて下さい。ズボンの裾は効果があります。手足など末端がとにかく冷えるという人は、体(内臓部分)を温めるような工夫をしてみて下さい。ヒート素材の機能性腹巻などありますし、お腹付近を温める位置に使い捨てカイロを仕込む等の方法があります。
手袋は用途によって選び分けましょう。強攻策として、電熱線を仕込んだヒーター内蔵グローブ、なんてのも存在します。乾電池式、充電式、中にはUSB接続で給電するものもあります。
まぁ、宮崎とはいえ、真冬の星見はナメない方が身のためです。★春・秋
夜間のみならば、だいたい冬の日中の服装で合うでしょう。平地なら、の日の日中の服装の上からウィンドブレーカーやジャージを重ねる程度でも間に合ったりします。
日々の気温差があるのと、日中と夜間の気温差も大きかったり、かと思うと小さかったりするので、温度調整のやりやすい服装の組合せを考えるといいでしょう。少し背筋がスースーする?という程度なら、首にタオルを巻き付けるだけで済んだりもします。
昼と夜の寒暖差で夜露が発生しやすいので、「防寒」より「防水」や「防湿」の観点から選ぶと良いかもしれません。長袖Tシャツ+レインウェア(雨ガッパ)なんていう組み合わせもアリです。あえて「星を見る時用」でカッパを買ってきて、背中、脇に切り込みを入れてムレないように換気窓を作る、って方法もあります。(高いレインウァアなら最初からムレ防止機能が付いてたりするんですけどね…)春・秋では特にですが、冬でも「日中は暖かかったから」と油断して軽装ウェアを選択して現場で寒さに震えて後悔する事は度々あります。基本的に「気温ナメてた」場合と、「防寒着が荷物になるから」って場合だと思いますが、前者はともかく、後者の場合の対策としては、テレショップですっかりお馴染み『衣類圧縮袋』を活用しましょう。丸めながら空気を追い出す衣類圧縮袋は、最近はダイソーにも売ってます。
最初から小さくできる「ポケッタブル・ダウンジャケット」ってのもありますが、普通の安売りダウンジャケット(半分くらいダウンじゃなくてフェザーとか)でも、それだけでスポーツバッグがパンパンになりそうな所が、同じスポーツバッグに5〜6着入れられそうな大きさになります。ふわふわセーターを圧縮しておいてウィンドブレーカーと組み合わせて調節する、使うかどうかわからないオーバーパンツを圧縮して準備、という方法もあります。一度お試しを。
2.装備
★基本装備として、オールシーズン(ほぼ)通して持っておきたい物
・普通の懐中電灯
・赤い懐中電灯
・タオル、バンダナ
・防犯ブザー&携帯電話
・飲み物
・ゴミ袋「普通の懐中電灯」は、普通の懐中電灯です。ただ、できるならば、頭に付けて両手が自由に使えるヘッドランプの方が便利です。
「赤い懐中電灯」というのは、別にボディが赤いと縁起が良いという意味ではなく、光が赤い懐中電灯の事です。星を見ている間は、原則として(周りの人のためにも)普通の懐中電灯は使わず、網膜の細胞をヘタに刺激しない作用(?)がある、赤い色のライトを使います。(詳しくは「暗順応」「桿体細胞」「錐体細胞」でググって下さい。)
赤LEDの天体観測用ライトもありますが、文具屋や100円ショップで赤いセロファンを買ってきて、2枚重ねで普通の懐中電灯に貼り付けたりするだけでも大丈夫です。最初のうちは暗く感じるかもしれませんが、目が完全に暗闇に順応すると、赤いライトでないと目が痛いと感じるでしょう。普通の白ライトと赤ライトが一体になっている便利なものもあります。
「タオル」は、夏は主に汗拭き用になりますが、冬は補助防寒具にもなり、あると非常に便利です。それ以外にもトイレに行って手を洗ったり、飲み物を飲んで口元を拭いたりと、ポケットやバッグをごそごそ探せない暗闇では重宝します。 「バンダナ」もタオルの使い方に準じますが、タオルでは大げさかな、という時や、タオルを使うには不便だがハンカチでは役不足、というシーンで役立ちます。冬、襟元から入ってくる風を遮断するのにも使えますし、意外にズボンの裾から冷たい風が入ってくるので、バンダナを裾に巻き付けて冷気をシャットアウトできたりもします。レンズの結露防止でカイロを固定するのにも使います。
「防犯ブザー」は、昨今はあった方が安心です。人家の少ない場所では、野犬などへの威嚇にも使ったりします。ただし、イタズラで深夜に鳴らしたりしてはいけません。いざという時の警報がイタズラだと勘違いされては身も蓋もありませんし、何より迷惑になります。100円ショップにも売ってますが、きちんとした品質のものを買っておきましょう。
「飲み物」は、家の中などと違って、喉が乾いても簡単に飲み物を取り/買いに行けなかったりしますから、手元に1本くらいは置いておいた方が良いです。(家で星を見る分にはいらないかもしれませんが)筆者は、星見会や観望会に出かける時には、必ず500mlあるいは1Lのペットボトル1本はコンビニや自販機などで買っていきます。冬ならお茶を沸かしてポットに入れて行くのもプチ贅沢です。
「ゴミ袋」は、ゴミを入れる袋です。コンビニ袋でもいいですが、星を見に行って、星を見た場所にゴミを捨てて帰ってくる、という事は絶対にしてはいけません。例えゴミ箱が用意してあっても、ゴミは自宅に持ち帰る、それくらいできずに「星が綺麗だね」などとロマンチストぶるなど、ちゃんちゃら可笑しいです。タバコの吸殻のポイ捨てなど論外です。★荷物に余裕があるなら、用意しておくと便利な物
・グランドシート
・アウトドア用ミニランタン(電池式)
・使い捨てカイロ(通年)
・瞬間冷却パック(夏季)「グランドシート」は荷物置きとしても、荷物や望遠鏡にかぶせて夜露や雨避け、地面に直接寝転がって全天を見渡すのにも使えますし、何より荷物としてかさばらないので、1枚用意しておくと便利です。思いがけず風が強くて冷たかったりした時など、くるまって風避けにもなります。ブルーシートでもいいですが、実は100円ショップで売ってたりします。
「アウトドア用ミニランタン」は、懐中電灯とは別に、広い範囲の荷物の場所を把握するために置いておくと便利です。星を見てる間も使う場合は、赤い懐中電灯と同様に赤セロファンを巻くなどして赤色の光にしておきます。最近はボタン電池を使う、親指大かやや大きい程度の超小型LEDランタンもあります。(造りのちょっとチャチなコピー品ならダイソーにも売ってます。)知識があれば自作してもいいでしょう。望遠鏡の三脚にぶらさげておくと、足をひっかけてコケる、という事もなくなったりします。
「使い捨てカイロ」は、基本は寒いときに暖を取るためのものですが、望遠鏡のレンズの夜露避けとしても使えます。入門書や解説書には「使い捨てカイロは使えない、桐灰カイロを使う」と書かれているものがほとんどですが、実は方法があります。
使い捨てカイロを夜露避けに使う簡単な裏技に「使い捨てカイロを新聞紙で包む」という方法があります。袋から出して服の中で普通に発熱させ、それから新聞紙1枚程度で包みます。寒さがキツイ時は更にタオルなどを巻いて保温するといいでしょう。かさばるのでカメラレンズには使いにくいですが。(エネループカイロ なら充電式で、使う時だけスイッチを入れて温度切り替えも可能でコンパクトです。)
「瞬間冷却パック」は冬場に使う事はまずありませんが、夏に飲み物を冷やしたり、簡易的に涼を取る時に使えます。飲み物を冷やすときは、冷却パックと飲み物を一緒にタオルでぐるぐる巻きにしてしまいます。涼を取る時は、タオルにくるんだ冷却パックで体を冷やすのが基本です。釣具屋などによく売っています。買っておいた飲み物が、いざ飲もうとしたら生ぬるくなっていると、けっこう悲しいものがあります。★輸送手段的に余裕があるなら、用意しておくと便利な物
・アウトドア用折り畳みチェア
・アウトドア用ミニテーブル
・手持ちで使える中〜小型双眼鏡
・自立型タープ(小型テント)
・ガスストーブとコッヘル「アウトドア用折り畳みチェア」は最近は1年中、ホームセンターやスポーツ用品店、釣具屋で売っていますが、疲れても地面に直接腰を下ろさずに済むので便利です。リクライニング機能があるものは、そのまま星空を仰いで双眼鏡などで星を見るのにも便利です。腰を据えて長時間星を見るときにはお勧めのアイテムです。
「アウトドア用ミニテーブル」もサイズは各種あり、まるでおままごと用みたいな食器類とセットになった子供サイズの物から、パタパタと畳んでコンパクトになるアルミ製の1人用ちゃぶ台 のようなもの、バッグ型になる折り畳み式テーブルもありますが、地面に直接物を置かなくていいのでアイピース類の取扱が楽になったり、ライトや星図などを乗せておいたりもできます。テーブルと椅子が一体になってる折り畳みピクニックテーブル もありますが、ヘタに大きさを欲張らない方がいいでしょう。公園やキャンプ場などで備え付けのテーブルがあるなら、それを利用した方が便利かもしれません。
「手持ちで使える中型双眼鏡」は、口径mm÷倍率の値(射出瞳径)が「4または5以上」になる、倍率8倍以下の物が良いでしょう。倍率は7倍や6〜5倍と控えめにした方が逆に使い勝手は良くなります。倍率が10倍以上になると、重くなったり手ブレが酷くなって見たいものもうまく見えなくなるので、しっかりした三脚の使用が必要になります。低倍率の双眼鏡は、星空を流し見したり、肉眼ではよくわからない暗い星雲星団を探すのにとても威力を発揮します。流星群観測でも、あると絶対重宝します。メガネを使っていないなら、2.3倍のワイドビノもお勧めです。
「自立型タープ」は、通常は夏、海水浴場でビーチパラソル代わりにして使うテント状のものです。物によっては天井が小さいですが、よく探せばちゃんとした天井を備えた物もあります。設置が(比較的)簡単で、収納すれば(比較的)コンパクトで、荷物置き場にしたり星図を広げて置いておくと、夜露避けにもなります。念のため撥水剤(塗るタイプ)を重ね塗りしておくと、急な夕立の雨宿りにも耐えます。夏場なら仮眠も取れます。(虫は防げません)
放り出すだけで勝手に広くワンタッチテントもありますが、物によっては畳むのが難しかったり、収納してもあまり小さくならないので、この場合は大きさを欲張らない様にしましょう。
「ガスストーブとコッヘル」は、ストーブというより折り畳みのコンロで、コッヘル(クッカーと呼ぶ事も)とはよくキャンプなどで使う金属製の食器です。屋外でお湯を湧かしたり、食事も作れます。(いわゆる暖房器具の方は「ヒーター」と呼びます。)長期の旅行に行くわけではないので、ガスボンベの容量は小さいものでも大丈夫でしょう。ボンベはよく流通している入手しやすいタイプかどうか確認して選びます。ボンベが流通していないと役に立ちません。明け方まで粘ったりするような場合は、持っておくと絶対に便利です。(缶コーヒーなどはコッヘルでお湯を湧かして、そこに缶を浸けて温めます。直火にかけてはいけません。)★あると時々便利だったりする物
・方位磁石
・星図、星雲星団ガイドブック、スマホ・タブレット
・蓄光キーホルダー類
・レンズクリーニングキット
・音楽プレーヤー
・携帯型工具「方位磁石」は、星が見えていればだいたい方位がわかりますが、雲や光害で必ずしも正確な北が特定できるとは限らず、赤道儀の設置などに難儀する事があります。特に普段の生活圏とは違う観望地では方角がわかり難いので、バッグの中に1つ入れておくと便利です。最初は100均の物でも十分でしょう。
「星図、星雲星団ガイドブック」は、機材や環境、各人のレベルに合わせて選んで持っておきましょう。水濡れ対策されていない本もあるので、夜露対策には注意しましょう。ヘロヘロのカパカパになってしまいます。星座早見盤は星座の大まかな位置を探す物で、観測対象を探すには向きません。最近はスマホアプリ(iステラ、スマートステラ、星座表、等々)でほとんど事足ります。
「蓄光キーホルダー類」は、よく寝室の電灯のスイッチ紐に付ける物が売られていますが、これを、足をひっかけそうな椅子の脚とか、見失いそうなバッグに付けておくと、本当の暗闇の中ではかなり見つけやすくなります。
「レンズクリーナーキット」は、うっかりレンズを思いきり汚してしまって家に帰るまで待っていれられないような時に使用します。堀内カラーのHCLクリーナーキットが必要なものが1パッケージに入って通販・カメラ店などで手に入ります。メガネ拭きなどで代用しないで下さい。
「音楽プレーヤー」は、娯楽用というより眠気覚ましとして使います(静かすぎると眠くなります)。ヘッドホンではなく小型のスピーカーで鳴らせば、耳を塞がずに済むので安全でしょう。プラネタリウム風のヒーリングミュージックを集めて入れておいても楽しめます。もちろんラジオ好きならラジオで構いません。ボリュームは控えめに。
「携帯型工具」は、狭い場所で使うために小さく作ってある普通の工具を用途に応じて選んでまとめてもいいですし、サバイバルツールみたいに各種工具が1つにうまいこと収められているものもあります。自転車用に後者のタイプで、ドライバからレンチ・スパナまで揃った実用的なものが用意されて、筆者はけっこう頻繁に使用します。(そして、みんなが借りにきます。)せめて±ドライバーはアイピース類と一緒にケースに常備しておきましょう。(筆者の場合、プライヤー、ヤスリ、ナイフ、簡易ドライバーが折り畳みでキーホルダーになるレザーマンのSquirt P4は必需品と化しています。)
LEDランタンの自作方法の例
LEDランタンの作り方は比較的簡単です。
スイッチを省略して、使うときだけ電池を入れる、もしくはパッケージ類のアクリル板を電池と電池ボックスの接点に挟み込む方法でもいいでしょう。
あとは、極性を間違えないように電池ボックス、スイッチ、LED、CRDを半田で繋げて、配線がショートしない様に適当に絶縁処理すれば、回路は完成です。
基本的に配線作業は半田付けで行います。半田ごてを持ってない人・うまく使う自信の無い人は、端子と配線、配線と配線同士を絡めてきちんと結びつけた後に、グルーガンで固めてしまって下さい。スイッチや光の拡散に使うフィルムケースなども、この作業で一緒に固定できます。
まぁ、そこまで頑張って自作してもいいですが、最近はダイソーとかに105円でLEDランタンが売ってたりするので、そっちの方が安上がりな気もします(笑)。「安価に入手しやすい電池を使用してるかどうか」を確認して購入するといいでしょう。 |