★ふたご座流星群の観測★ ↑TOPへ戻る

 ふたご座流星群は、8月のペルセウス座流星群、1月のしぶんぎ座流星群と並んで「三大流星群」の一つに数えられる活発な流星群です。
 母天体は小惑星ファエトンと考えられています。通常、流星群の母天体は「尾を持つ」彗星ですが、ファエトンも噴出物をほぼ使い果たした”元彗星”で、現在も太陽に接近した時などには短い尾を出して一時的に”彗星”になる様子が観測されています。

 ふたご座流星群の輻射点は、ふたご座の兄の星・カストルのすぐ横にあります。弟の星・ポルックスが1等星なので、下図のように最も目立つオリオン座と最も明るいシリウスを起点に、「冬のダイヤモンド」と呼ぶ巨大な六角形を結べば、ポルックス、そしてカストルの位置は比較的簡単にわかります。

 流星群は時期で区別される物ではなく、輻射点によって区別されます。輻射点とは、流星経路の延長線が集中する点の事なので、そこばかり観察していればマンガやアニメの様な流星雨が見られる、という訳では(全くもって)ありません。むしろ、経路の長い派手な流星は、輻射点から離れた所によく流れます。
 流星は空のどこを流れるか予測がつきませんから、流星観測の基本は、できるだけ空全体を見渡せる場所・姿勢、つまり周囲が開けた場所に寝転がって行います。暗くできるなら、無理せず自宅の庭やベランダでも構いません。複数の人数が揃う場合には、南側担当とか北側担当、などの様に観察する方向を分担して、可能な限り死角を無くします。データを取るのが目的でなければ、同じ方向に並んで寝転がってもいいでしょう。
※流星が流れる度にキャーキャー騒ぐと非常に迷惑ですので気を付けて下さい。
 流星観測に天体望遠鏡は通常は使用しません。基本は肉眼、補助的に2〜8倍程度の双眼鏡を使う程度です。双眼鏡の倍率はどちらかというと低い方が役に立つでしょう。特に「流星痕」という明るい流星・火球の後に残った”光りつづける痕跡”が発生した時に活躍します。(流星を探すという目的ではほとんど使用しません。)ナイトショット機能のあるビデオカメラで、広角ズームで広い範囲を撮影し続けると、思わぬ記録が残せる事もあります。
 いずれにしても、流星観測はけっこう根気勝負ですので、楽な姿勢を保てつつ、暑くもなく寒くもない服装で、蚊や他の害虫などの対策をして観測して下さい。

星のFAQの方も参照してみて下さい。

流星群の起きる原理(ジャコビニ彗星の例)

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