某テ○ビ宮崎の土曜夕方の「H○T WAVE」という番組から「視聴者が撮影したUFOのビデオ」の正体は?という依頼みたいな物もありましたが、日付はまだしも時刻も方位も仰角も非常に曖昧で、ほとんど参考にはなりませんでした。結局、明るさや速度から国際宇宙ステーションではないかとあたりを付けて、撮影当日のISSの軌道要素を取り寄せ、確かにその日の夕方〜夜に宇宙ステーションは宮崎から見える位置を通過していた、という”結論”に至った事があります。
星雲・星団・銀河は、かなり種類が多いですが、誰でも探せるオリオン大星雲なら20倍とか30倍程度から楽しめます。アンドロメダ銀河は20倍程でないと視野に収まりません。星団の場合は、倍率は30〜120倍程ですが、口径で見え具合にかなり差が出ます。
ここで言う「望遠鏡の性能」とは、望遠鏡の箱に書いてある倍率の事ではなく、本質的な望遠鏡の光学性能と、架台の性能の事を示しています。一応ここでは、口径8〜10cmの望遠鏡を想定しています。これより口径が小さい場合は、3/4〜2/3程度に倍率を落とした方が逆に見やすくなるでしょう。
通常の恒星による核融合は、上記の通り、鉄あたりまで進むと頭打ちになってしまいます。それ以上重い物質(例えば金とか銀とか銅とか)は、通常ではないエネルギー反応が必要と考えられています。超新星爆発とか。
アクロマートは、大雑把に言って、赤・緑・青の光の三原色のうち、2つの色の収差をまとめていればアクロマートとして認められます(だから製品によっては、青が滲んだり、赤が滲んだり緑が滲んだりもします)が、3つの色をある程度のレベルまでまとめた場合にはアポクロマート、と呼ぶのが通例です。ただ実際は設計上の話の問題で、EDレンズを使っていても組み立て精度が出ていない(光軸が出ていない)と、本来の性能は発揮されません。
さて、星を見るときの話としての「瞳径」は、多くの場合、双眼鏡などの「射出瞳径」の事です。
まず、昼間に地上風景を見るときは、人の瞳は小さくなってるので、射出瞳径2.5mm程度でも、7mmの物とほとんど明るさの違いは感じません。(まぁ射出瞳径7mmの物の方が覗きやすいですが)
射出瞳径自体は、(まともな)双眼鏡なら、カタログや説明書などに記載されている事が多いですが、計算は難しくありません。
必要光路長とは、その字の通り、光が通ってくるまでに必要とする距離の事で、普通に考えれば、天頂ミラーなら、入口(バレル)→ミラー面→出口(スリーブ)までの距離になります。
また、(製品にもよりますが)天頂ミラーの方が天頂プリズムより光量の損失が少なかったりします。あるいは、天頂プリズムの場合に、明るい対象(惑星とか)を見るとゴーストが発生する場合もあります。プリズムのサイズが小さくてアイピースの性能をきちんと出せていない事もあります。初心者レベルでは気付かないかもしれませんが、観察力が向上してくると、こういう現象が気になってくる事もありますので、覚えておくといいでしょう。もちろん、光の損失やゴーストの心配などほとんど必要ないレベルの製品もあります。(安物のミラーだと逆に暗い事も多いですが。)
アイピースを介さない、いわゆる直焦点撮影の場合、普通にアイピースを使ってピントが合う位置よりも奥の方(対物側)でピントが合います。その為、鏡筒によってはドローチューブを一番縮めてもピントが合ってくれない事がよくあります。
最近は「電波時計」という、福島県(40KHz)と福岡・佐賀の県境(60KHz)の2つの標準電波(JJY)のどちらか(周波数が違うだけでどっちも同じ)から送信されてる時刻データで自動的に常に正確な時刻に自動調整してくれる時計が多くなってきています。壁掛け時計から腕時計までありますが、目覚まし時計なら1000円ほどでも手に入ります。
以前はJJYは短波AMで送信されていて、短波ラジオがあれば、ほぼいつでも正確な時刻を受信できました。現在JJYは電波時計用の長波でしか送信されていないので、そのまま受信する事はできませんが、同様の短波による時報放送は、中国のBPM(2.5MHz、5MHz、10MHz、15MHzで、2.5MHzは主に夜のみ、15MHzは主に昼のみ)と韓国HLA(5MHz)が行っています。広帯域受信機などで、いつでもどれか(だいたい)受信できます。
一方で、長波で人間が聞くために送信しているわけではないものの、JJY自体はちゃんと存在はするので、この現在のJJYの電波(データ)を人が聞くための音にしてしまう、という電波時計(JJY受信機、キットと完成品)があります。
通称として用いられるのは、夕方に西の空に見える、宵の明星、つまり金星です。
金星が夕方に見えない時期(明けの明星の頃とか)には、その時期を代表する明るい恒星とか、木星だったり火星だったりする事もあります。
とりあえず、夕方、自分が最初に見つけた星が一番星です。(月は普通含みません)
一番星に願いをかけると叶うかも、なんていう話もあったりしますが、1日1回、毎日のイベントなので、そこんとこ考えてお願いしてやって下さい。
初心者の予算で購入できて、初心者でも扱いやすい望遠鏡は、基本的に月・惑星(水金火木土天)、暗い場所に持って行って有名所の星雲星団(メシエ天体など)の一部、が見える範囲だと考えて下さい。
もしも、「これ、いいんじゃない?」とネットなどで見つけた”入門用”や”初心者向け”の望遠鏡があったら、買う前にその機種名で一度検索してみて下さい。よほどのマイナーな機種や新製品でもなければ、必ずと言っていいくらいインプレ記事が見つかります。パッケージに印刷された写真や宣伝文句よりもインプレ記事の方を参考にしてみて下さい。インプレは正直です。
「どこを向いて見ればいっぱい見られるか」という意味だとしたら、「空全体」です。特定エリアに集中して流れる流星群などありません。また、流星群と流星雨をごっちゃにして想像している人が多いですが、そんな気前よくピュンピュン流れるものでもありません。活発な流星群でも平均1時間60個程度です。
結局のところ、流星群は空全体のあちこちを流れるんだという前提で、通常は寝転がって、空全体が見える楽な体勢でのんびり根気強く見ます。(携帯枕の使用を推奨します(笑))
「流星観測」の基本スタイルは、4人で東西南北を向く様に寝転がって(死角を無くした状態)、流星が流れた時に、どこからどこに向かってどの位の明るさのが流れた、というのを時刻と一緒に記録していきます。慣れないうち、もしくはデータを取ることが目的ではない場合は、横一列に寝転がって見てもいいでしょう。
最近は高感度ビデオカメラとパソコン(とUFO Captureというソフト)で動画で記録する方法もよく見られます。こうして取られた、各地での観測データを組み合わせると、流星がどう流れたかの3Dデータを作ることができます。
必須アイテムではありませんが、倍率の低めの双眼鏡を用意しとくと、時々発生する、流星痕を観察できます。比較的珍しい現象なんで、見ておくと面白いです。(痕が残る詳細なメカニズムはまだきちんとは解明されてません)
双眼鏡を使うと見える範囲は狭くなる反面、肉眼では見えない暗い流星が見られる事もあります。天体望遠鏡は通常使いません。
流星が飛んできた先を延長して、○○座の特定のポイントに繋がれば、○○流星群に属する流星という事になります(飛んでいった先ではありません)。夏は複数の流星群が混在しているので、全く違う方向から飛んできた流星を○○流星群と数えない様に注意しましょう。どの流星群にも属さない、散在流星(普通の流星)というものもあります。
TVや新聞などで、時々「○○流星群が、今夜極大」なんて報道をされますが、流星群は基本的に極大日だけの天文イベントではなく、前後数日、長い物は1ヶ月間くらいの長期で余裕で観測可能なものもあります。たまに極大日よりも、その数日前の方がよく流れてた、という事もあります。ある程度のんびり構えて観測に臨んで下さい。
ただし、かなりぶっちゃけた結論で、必ず冬、というワケでもありません。
そもそも、星がキラキラとまたたく(シンチレーションが悪い)、というのは、上空の気流に関係します。大気を水に例えると解りやすいですし、実際に望遠鏡で覗いてみると空気というより水の現象の様に見えますが、池や水槽の様に水の流れが穏やかだったり止まっていたりすると、水面も穏やかで、水中にいる魚や水底の小石もよく観察できますね。小川の様に水の流れが早いと、水面もジャラジャラと波立って、魚がどこにいるのかよく分からなくなります。その代わり、水の中のゴミも洗い流してくれるので水はキレイです。
この理屈が、空にもほとんどそのまま当てはまります。
冬は(西高東低の気圧配置で)日本上空を強い(冷たい)季節風が流れるので、非常に空の透明度が高く、星もキラキラして見えますが、いざ望遠鏡で星・惑星を見ると「わじゃわじゃ」と暴れ回っていて、観察も難しいです。
夏は、あちこちで入道雲が沸き立って夕立など降らせたりしますが、入道雲が沸き立つという事は、上空は空気が流されていない=安定している、という事です。こういう時に望遠鏡で惑星など見ると、写真の様にピタリと止まって見えたりします。その代わり、空がいまいち透明ではなく、星雲や星団が見つからない事もあります。
夏でも台風が過ぎ去った直後の夜には、空気の透明度が高く星がたくさん見えたりしますが、やはり冬と同じようにキラキラまたたいていて、望遠鏡で見るには条件が良くありません。もちろん、冬でも空が何やら霞んでいて晴れててもスッキリしない日がありますが、そういう夜には星はまたたかず、望遠鏡で見る惑星はとても安定しています。
面積のある円盤であれば、多少、気流の関係でゆらいでも許容されます。点は許容の余地がありません。(月や太陽が瞬く事が無いのも同じ理由です。)
この違いで、「惑星は瞬かない」という見え方の違いを生み出します。
ただ、(特に冬など)その惑星ですら瞬いて見える夜があります。そういう時は、はっきり言って、星を見ないで寝ます。(日本本土は緯度からくる季節風の関係で、こういう夜が意外に多いんですよねぇ…)
実は毎日、とんでもない数の流星が降ってきてて、その燃えカスが、そのへんにホコリと一緒に漂ってます。屋外で空気中のホコリを採取して、顕微鏡で覗くと、けっこう簡単に見つかると思います。(流星塵と呼ぶ)
流星を観測してると、希に、動かない流星(静止流星)を見る事があります。これは、まっすぐこっちに向かって飛んできているので、動かないように見える物です。何度か見たことはありますが、筆者はまだ、ぶつかった事はありません。(何もない所で急にふわっと光って、すぅっと消えるので、UFOと間違われる事もあります。)
ときに、国立天文台のすばる望遠鏡が撮影した写真に写り込んだ、流星と人工衛星の画像の比較解析から、流星の光の幅は、実は数ミリしか無い事が判明したそうで、デ・カルチャですね。
(隕石は小惑星、流星は彗星が起源天体である、という説もありますが、小惑星と彗星の本質的な違いは実ははっきりしていません。)
もっとも、燃え尽きないほどデカい場合、我々は「流星」ではなく「火球」と呼びます。おそらく昼間でも見えるほどハンパじゃない明るさでしょう。(地球への突入速度にもよりますが)
2008年11月20日の夕方にカナダ西部アルバータ州で多くの住民に目撃されたり監視カメラにも撮影された大火球は、日が沈んで既に暗くなっていた一帯を昼間の様に照らし出して、空中で爆発、地上に多数の隕石を降らせました。これにぶつかったという人の報告はありませんが、映画『アルマゲドン』のワンシーン並にけっこう物騒な話ですね。
希に、燃え尽きずに、地球の大気中をかすめるように、そのまんままた宇宙に飛んでっちゃう隕石の動画もあります。
石というより、石と鉄が混ざった塊=石鉄隕石、鉄の塊=隕鉄、という物も多いですが、これらは超新星爆発の残骸だとか、惑星になりそこねた惑星の材料だとか、いろんな捉え方があります。火星にぶつかった隕石が弾き飛ばして地球に落ちてきた火星の石、なんてのもあります。隕石は案外奥が深いです。
むしろ、なぜ無くなると思ったのか、そっちの方が興味深いです。
火球も規模のデカい物には名前が付く事はありますが、たまたま目に付いた火球に必ず何らかの名前が付いている訳ではありません。あるとすれば、流れた日時をそのまま名称化してしまう位でしょう。
ですから、「××時頃」も、夜8時頃とか、夜10時半頃、と報告されても答えられない事もあります。むしろ、「あ゛っ!」と思う程の何かを発見をしたら、次の瞬間には時計を見て、何時何分何秒にどの方角・仰角にどのように発生したか、を素早くメモするなどの癖をつけるか、意識して心がけて下さい。
その流れ星が流星群に属するものであれば、日時から該当する流星群をピックアップし、更に見えた方角と流れた方向を星図に照らし合わせて、特定の流星群のものか、単なる野良流星(散在流星)かはある程度判断できます。
方角はまだ後から調べられるとして、仰角は、普通の人だと60゜以上は「真上」と表現してしまいます。60゜と90゜は全く違います。場合によっては45゜でも真上と捉えてしまう事もあります。この対策としては、例えば右腕を伸ばした状態でピースサインを作って、この間隔を9倍して水平から垂直になれば、このピースサインは10゜、という目安を探して下さい。人によっては「グー」の大きさが10゜になる人や、親指の長さが10゜になる人もいます。
稀に「○月△日頃」と日付まで曖昧で、しかもその日から1ヶ月も経過した目撃情報の問い合わせが来る例もありますが、それで「正体を教えろ」というのは無理な話です。
つか、その呼び方なら、彗星は「ほうき星」、「流れ星」は流星です。
余談ですが、○○流星群、っていうのは、彗星が残してったチリが地球に降ってくる(実際には地球の方がチリの中に突っ込む)ために起きる天体現象です。
月は空気が無いから、クレーターもそのまま残ってるけど、地球は風や雨、モノによっては海水で浸食されたりして、よくわかんなくなってたり、すっかり消えちゃったりしてます。
アリゾナにあるバリンジャー・クレーターは、今でもけっこうしっかりと形が残ってて観光名所にもなってますが、メキシコ・ユカタン半島にある巨大クレーターの痕跡は、6500万年前に恐竜を絶滅させた隕石の跡だと言われてます。(デカすぎて、衛星写真じゃないとよくわかりません)
つい最近(2007/9/15)にも、南米ペルーで白昼に目撃された火球がそのまま落ちて、直径約13mのクレーターを作りました。(※写真→)
海底にあるクレーターもいくつか発見されてます。日本にも密かにクレーターあります。
それでも月に比べて地球のクレーターの絶対数が少ないのは、地球の大気に突入した隕石が途中で燃え尽きてしまったり、破裂してより小さい隕石になってしまう為です。仮にちょっとしたクレーターができても、風や水(雨)で風化して、消えてなくなってしまいます。やはり大気のある火星にはクレーターは比較的少ないですが、大気の無い水星の表面はクレーターだらけです。
宮崎市内でも、市街地を避ければ、案外そういう場所はあちこちにあります。
次に、目を暗闇に慣らします。(暗順応と言います)
いつまでも懐中電灯で手元を照らしたりしていると、暗闇に目が慣れずに、星の淡い光を確認できません。暗順応には、通常15〜20分ほどかかります。
月明かりのない夜、頭上に白鳥座、あるいは南の方にオリオン座が見えていれば、空気が澄んでいれば見える筈です。見えない場合、ほとんどの場合は「空気が澄んでいない時」です。
夏の天の川は、夏の大三角からさそり座のしっぽの先を抜けるように、冬の天の川は、カシオペアの「M」からオリオン座の左をかすめる様に流れますが、天の川銀河の中心方向はさそり座のしっぽ・いて座の方向、つまり夏に見える天の川なので、その反対側になる冬の天の川は、夏に比べて淡くなります。それでも宮崎市内でも案外見えるものです。
※空気が澄んでいた夜8時頃に、宮崎駅そばでも冬の天の川が確認できました。比較的希な事ですが。
街から離れて、かつ周囲に民家の少ない場所(駐車場があって車で行ける所なら、えびの高原や堀切峠周辺、椿山森林公園、市民の森、西都原古墳群、綾の馬事公苑、一ツ瀬ダム、阿蘇・瀬の本など)では、空気の澄んだ月の無い夜なら、普通の雲のように明るい天の川が見えます。またそういう場所では、秋の星座(秋の大四辺形)が頭上に見える時期/時間ならアンドロメダ銀河も肉眼で簡単に確認できます。
深夜23〜24時くらいまで待つと、空気の透明度がかなり上がりますので、住宅地の筆者自宅からでも天の川やアンドロメダ銀河はちゃんと見えます。星や天の川を見るコツは、とにもかくにも人工光を避けて(もしくは周囲が暗くなる時間帯を待って)、暗闇に目を慣らす事です。
太陰暦は新月(になる日)を1日とします。満月は通称十五夜とも呼びますが、では7日の月は、というと、半月わずかに手前(月齢6位)、くらいになります。この月の形を横にすると、船のようにも見えます。
さて、旧暦の七夕の夜になると、この船のような形の月が、織姫つまりベガ側の、天の川の西岸の位置にきて、そこから3日ほどかけて、彦星つまりアルタイル側の天の川の対岸に移動していきます。この”月の船”に乗って、織姫が彦星に会いに行く、というのが七夕なわけですが…
天の川の位置に月が出てるので、まぁ当然というか、天の川は非常に見づらい、という事になります。矛盾してる様ですが、実際そうなので仕方ありません。
この七夕の由来を考えると、現在の新暦7月7日に願掛けをしても、あんまり意味が無い、という事がわかります。また、ベガ側の天の川の岸に月が来る旧暦七夕以外の日は、半月過ぎのやや丸い月=満員状態の船、とみなして、織姫は船に乗れないという設定になっています。
また七夕は、織姫が織り物の名人であった事から、何かの上達(主に技能系)を祈願する祭です。「ゲームソフトが欲しい」とか「背が欲しい」とか「カレシが欲しい」という短冊は、靴下と一緒にクリスマスツリーにでもぶら下げて下さい。
月の満ち欠け周期は、ほぼ30日(公転周期自体は正確には27日7時間43.7分ですが、その間に地球も公転して、地球-太陽-月の角度にズレが出ているので、同じ位置関係に戻ってくるには、そのズレの分ももう少し動かないといけません)で、月齢0が新月、月齢15が満月になります。
陰暦は月の満ち欠けを基準にしていますが、その場合の*月1日は、月齢0(新月=新しい月)になります。単純に数えると、2日は月齢1で、3日は月齢2…となると、15日目は月齢14、という事になり、実は十五夜=月齢15ではなかったりします。
もう少し詳しく説明すると、新月というのは、「その日のうちに月齢0になる日」です。丸一日、月齢0、という意味ではありません。月は刻々と満ちたり欠けたりしています(天体望遠鏡で欠け際をよーく観察していると、10分前に見えていなかった丘の頂上に光が当たって見え始めた、というのもわかったりします)。
月齢0、というか、月齢0.0、というあたりは厳密に言えば数分間、まぁ実用値としては2時間半程度ですが、この月齢0.0が、0:00〜23:59:59までの間にくれば、その日は新月、となるので、ヘタをすると「今日は月齢0の筈なのに、夕方ものすごい細い月が見えた」なんていう事も起こり得ます。
そう考えると、1日の0:00に月齢0.0になっていたとすれば、15日の23:59までにはぎりぎり月齢15.0になるかもしれません。
あと、これも面倒くさい話ですが、月齢は0.9の次は1.0、月齢14.9の次は15.0になりますが、月齢0.0の直前は29.9ではなく、29.5とか29.6とかだったりします。便宜上、24時間で月齢が1.0ずつ進むようにした挙げ句に生じる誤差の帳尻合わせですが、このあたりを考えると、話は更にややこしくなります。
こういう、ややこしい部分をスッパリと切り捨てて、あくまでも”見かけの月”を基準にしたのが「月相」いわゆるムーンフェーズです。秋のお月見などでの「十五夜」は、こっちを基準にしていると考えた方が早いでしょう。結局のところ、月齢の細かい数値はあまり考えてない、と言えます。まぁ当時は望遠鏡も無かった頃ですから、多少欠けていても分からなかったでしょう。
青白い星は、まだ生まれてそれほど時間のたってない、若い星です。
赤い星は、もうそろそろ寿命が近づいてきた、年老いた星です。
つまり、おおまかに言うと、星の色は、その星の青年期、中年期、老年期といったのを表しています。
この”おおまか”とは、太陽の様な「主系列星」の場合の事です。
これに属さないものに、質量が足りなくて恒星になりきれなかった、点火不良を起こしたような「褐色わい星」(最初から赤外線の様な赤い光しか出せない)とか、逆に思いっきり大質量で生まれた為に激しく核融合を起こし、青白いまま超新星爆発を起こしてしまう事もある「青色巨星」というのもあります。
尚、日本や中国などで「見ると幸運になる」等という言い伝えのある”南極老人星(寿老人星)”とも呼ばれる、りゅうこつ座のカノープスは、よく赤い星と言われますが、実際は白い星で、夕焼けと同様、一番高く昇っても地表スレスレにしか見えない為に赤く見えているだけです。(宮崎では普通に白く見えてます。)
言ってる本人が、ぜんぜんピンときません。
ピンとくる様に、地球を直径約2cmの1円玉の大きさに例えると、1光年は、地球の直径12,756kmより大きい14,833kmになります。
ちなみに、”彗星の巣”とも呼ばれる「オールトの雲」ですが、このオールトの雲の半径が、1光年くらいあるらしいです。いろんな彗星の軌道を計算してたら、なんか1光年くらい向こうから飛んできたのが多かったみたいで。
という事は、オールトの雲までを太陽系、と考えると、太陽系の直径は2光年位ある、という事になりますね。
地球が1円玉だと、太陽と地球の平均距離は234m55cm、地球と海王星の平均距離はなんと約7kmです(笑)
遠いんだか近いんだか、さっぱりわかりません。
それでも(前述の、瞬かない星、の様に)場数を踏むうちに、なんとなく見分けられる様になってきます。
少なくとも、肉眼で土星の輪や木星の縞模様が見えてるわけではありません。
「肉眼で見える星は6等星くらいまで」というのは、星1個として認識できるレベルでの話で、それより暗い星でも、星が密集した星団、あるいは天の川は(雲的に)視認は可能です。
全宇宙の、という意味だとすると、もちろん確認は不可能ですが、我々の銀河系にある星は約4千億個、更に全宇宙には銀河が1千億以上あるのではないか、と考えられています。
現代の(北半球の)主な星座は、2世紀頃、アレクサンドリアにいたプトレマイオスとかいう人がまとめたらしいです。面識は無いです。
南半球の星座は、大航海時代に作られたものばかりなんで、神話に結びつかない顕微鏡座だとか羅針盤座とか、そんなんばっかです。
ギリシャ神話などからヨーロッパ基準で神話が語り継がれている事が多いですが、かのアンドロメダ姫は古代エチオピアのケフェウス王とカシオペア王妃の娘なので、北アフリカ人のお姫様です。
現在主流の屈折望遠鏡は、対物レンズに凸レンズ、接眼レンズにも凸レンズを使った、昔ケプラーが作ったというケプラー式望遠鏡です。これだと倍率も高くでき、覗いた時の視野も広くできますが、上下左右が反転してしまいます。
ただ星を観察する場合、上下左右が逆さまでもあまり関係ありません。実際、オリオン座やさそり座は、南半球に行けば北半球とは逆さまに見えます。日本から見た北斗七星やカシオペアも、時期や時間によって横向きだったり逆さまだったりします。宇宙に上下左右を求める事自体あまり意味が無いんです。
地上の風景や生き物を観察する時はそれだと困るので、中にプリズムや鏡を入れて、何度か反射させて像の上下左右をひっくり返します。双眼鏡やフィールドスコープなどがそうです。
しかし、双眼鏡やフィールドスコープでよく使われる「ポロプリズム」(イタリアのポロさんが考案しました)だと、精密な45度/45度の直角二等辺三角形のプリズムを2個組み合わせて、プリズムで4回の反射をさせないといけません。
プリズムに2回入って、2回出て、それぞれ2回ずつの計4回反射するので、その度にプリズムの精度によって像が悪くなっていき、そして暗くなります。
ものすごい倍率で惑星の細かい模様を観察したり、目では全然わからないような暗い星雲を観察するにはメリットよりデメリットの方が多いので、天体望遠鏡では基本的に逆さまのままで使います。
※最初から逆さまの像を見ている、という意味ではありません(笑)。
星座は元々、肉眼で見える星を繋いで作ったものですから、望遠鏡が無いと見えない星座、というものは原則として存在しません。
ただ、特に日本では、光害の影響で夜でも空が明るくなってしまったので、昔は見えていた星座が見えなくなってきた、という事はあります。そういう場合、極低倍率の双眼鏡(笠井トレーディングのワイドビノやSUPER-VIEWなど)で覗くことで見えてくるという場合はよくあります。もちろん無光害地まで出向けば、全部肉眼で見えます。
例外的に、望遠鏡を使うほどの倍率で見た時に、あたかも星座のようにきれいに星が並んでいるものがあります。これは星座ではなく、どちらかというと星団として扱われますが、かなり面白い形に星が並んでいる場所もあるので、調べてみるといいでしょう。(例:ET星団)
あと、星座を作った本人が肉眼で見ることを半ば放棄してるっぽい、暗い星座もある事はあります。(代表例:やまねこ座)
もし、人間の目にそういう長時間の光を貯め込む能力があれば、写真と同じように見えるかもしれません。
また、多くの天体写真は、肉眼では感度の低い、赤外線に近い赤い光も捉えているので、普通に見てもわからない天体まで撮影できていたりします。(手近なデジカメを通して、テレビなどのリモコンを操作して見ると、リモコンから出る赤外線がしっかり白く見えるでしょう。希にリモコンの光が肉眼で見える人もいますが。)
だがしかし!
月や惑星の場合、ヘタに写真に撮るよりも、肉眼で望遠鏡を覗いた方が鮮明に見える事がよくあります。というよりも、肉眼で見るようにうまく写真に写らない、と言った方が近いかもしれません。
特に月は、クレーターなどもカチッとギザギザに見えるのですが、これを写真に撮ろうとすると、なかなか「カチッ」とした写真になりません。
これは、大気のゆらぎで実際にはカチッとしていないのを、人間の目は動画として脳に伝え、脳はリアルタイムでボケている部分をボケていない瞬間に置き換えるように画像補正をして、全体として解像度の高い画像として見ているからです。テレビも実は同じ様な理屈の元に設計されています。
ところが写真は、ボケていようがいまいが、お構いなしにその瞬間を1枚の画像として残してしまうので、結果的に「何かボケてる?」な写真になってしまいます。テレビの画面をデジカメで撮影してみても、やはり目で見てる様にはうまく写りませんね。
ですから、肉眼による望遠鏡の見え具合を天体写真から判断するのは、実はけっこう無理があるのです。
皆既日食自体は、地球全体に起きるわけできなく、太陽−月−地球の位置関係がピッタリと合った一部地域でしか見られないもので、その周囲では部分日食の状態になります。(更にその外側では普通に太陽が見えています。)言いかえると、皆既日食が起きてる地点だけが夜、その周囲は夕方、その更に周囲は昼、という感じです。
ですから、本物の夜のように厳密に真っ暗にはならず、ぐるりと周囲の地平線あたりは明るい、という独特の光景になります。鳥や動物などは、夕方〜夜になったと勘違いして、巣に戻ろうとするなどの行動をとるそうです。
また太陽本体が隠されても、太陽の周囲を取りまくコロナが光って見えますから、全然光が射さないわけではありません。特殊な装置を使わずにコロナを見られるのは、この時だけなので、見逃さないようにしたい光景です。
一方、普段は観測できない”昼間の星”、特に太陽に近いところに見える星が観測できるので、この時に星の写真を撮っておいて、後日、普通に夜に撮影した同じ星の写真と比較する事で、太陽の重力によって、太陽のそばに見えている星がズレて写るという現象を確認する事もできます。
夜明けの1〜2時間前くらいに寝転がって空を眺めてれば、飛行機みたいなのが点滅しないで飛んでるのが見つかるでしょう。それが人工衛星です。(ロケットを打ち上げた時に切り捨てた補助ブースターのようなゴミ(デブリ)も、一応人工衛星です)
数分に1個くらいの割合で見えたりするんで、天体写真を撮影してる時だと、かなりウザいです。
太陽の光を反射して見えるんで、日が沈んでしばらくか、夜が明ける多少前あたりじゃないと見えません。(明け方の方が空気が澄んでいて、周囲の人口光も少ないので見つけやすいです)
深夜に、点滅しない飛行機みたいな、でもちょっと違うようなのが見えたら、何か別のものを疑った方がいいかもしれません。でも深くは追求しない方がいいかもしれません。
もし双眼鏡か望遠鏡を持っていれば、日が沈んで1時間後〜くらいに、10〜30倍程度で、適当な星を数分間、見続けてみましょう。(夏の夜、空気の透明度の高い仰角45度以上が良いかと)
視界の中を、「すーーーー」と人工衛星が横切るのが見つかると思います。たまに、立て続けに何個も通過する事もあります。「こんなに飛んでるのか」と笑うくらい、目撃できるでしょう。
スペースシャトルや国際宇宙ステーション(ISS)が見たい、という時は、JAXAが公開している軌道予想で事前に確認してみましょう。
はっきり言って、ISSはむちゃくちゃ明るいです。場合によっては金星より明るいくらいです。うまいこと望遠鏡で見る事ができれば、宇宙ステーションの形も確認できます。(難易度はけっこう高いです)
ISS自体はサッカーコート程の大きさで、地表からの高度は、概ね400km前後(280〜460km付近で、高度が下がってくるとブースターで上昇します)、位置的条件が良ければ、双眼鏡程度でも人工物である事は解ります。
移動速度は秒速8km弱(ほぼ90分で地球一周)ですが、地表からの距離があるので見た目のスピードは遙か上空を通過する国際線旅客機程度(か、それより遅い)です、旅客機を望遠鏡で見る練習をしとくといいでしょう。
ハッブル宇宙望遠鏡(HST)をはじめ、いろんな人工衛星も調べてみたい、という時には、Orbitronという、少しだけ専門的なフリーウェアがあります。日本語表示にも対応していますし、使い方を解説しているサイトもありますから、それほど難しくは無いでしょう。「昨日見えた、あの人工衛星は何?」という確認にも使えて便利です。
一般的な屈折望遠鏡で惑星などを見るとすると、水星や金星は、50〜100倍位でしょうか。内惑星なので高度が低い事が多く、大気の乱れの影響を受けやすいので、倍率は無理をしない方が得策でしょう。ただ金星は非常に明るく眩しいので、フィルターを使うか、あるいはあえて倍率を上げて少し暗くした方が観察しやすくなります。口径の大きめの機種の場合は、わざと口径を絞った方がクッキリ見える場合もあります。
火星は接近時であれば100倍くらいで極冠や模様も見えますが、条件が良ければ150倍以上かけた方が見やすいかもしれません。最接近前後には、極周辺に発生する霧も120倍程で十分観察できます。
木星は、ガリレオ衛星を観察するなら30倍程度が良いかもしれません。望遠鏡の性能と気流が許せば、200倍くらい出すと木星表面の様子や、表面に落ちる衛星の影も見えてきます。模様の細部の観察には、倍率よりも口径(15cm〜)の方が重要になってきます。
土星は、その独特の形から、10〜15倍程度でも他の星と違う楕円形っぽい形である事が確認できます。50倍程度で小さい星々の中に浮かぶ姿を眺めても綺麗ですし、120倍位出せばカッシーニの隙間や表面の模様も観察できます。形状が独特であるが故に、気流の影響を強く感じる星でもあります。輪・模様の観察は、多少根気強く眺める必要があります。
天王星や海王星は200倍くらい出しても、ちっちゃい円盤に見える程度です。
月は、その気になれば望遠鏡の性能の許す限界まで倍率を上げて見てみても良いですし、20倍とか30倍でのんびり全景を楽しむのも良いです。細部の観察なら、75倍からが面白いでしょう。
夏の天の川の散策などなら、15〜30倍程度が非常に綺麗で、楽しくてお勧めです。7倍50mm前後の双眼鏡でもいいでしょう。
また銀河・星雲は、空の状態(明るさ)に相当見え方が左右されます。光害で空の明るい場所で無理に30cm等の大口径を使うより、光害の全く無い場所でコンパクトな8cm望遠鏡で見た方が遙かによく見えます。(街ではどんなにがんばっても見えない星雲も、無光害地では肉眼で見える事もよくあります)天の川がどの位はっきり見えるかを目安にするといいでしょう。
通販などで225倍だとか525倍だとかいう高倍率を宣伝文句にしている入門用天体望遠鏡がありますが、そんな倍率など一切使い物にはなりませんし、上記の”観測に適した倍率”ですら動作が怪しいので、妙な誘い文句を鵜呑みにしないで下さい。
あくまで「見る人がどう考えるか」ですから、同じ惑星の模様、彗星の尾などを、人によっては、どう変化してるか「観測」している場合もあれば、「今日もキレイだなぁ」と「観望」している人もいます。もっとも、中には観望のフリをしながら、しっかりデータを残している人もいたりしますから、明確な区別はほとんど無いと思っていいでしょう。 元々の太陽系全体の材料は同じでしたが、中心の太陽が活動を始めると、太陽からの放射エネルギー(太陽風)で、軽い物質はどんどん吹き飛ばされてしまいます。結果、水星〜火星のあたりの軽いガスは吹き飛ばされ、岩石の塊の惑星が完成しました。。
一方の木星や土星は、存分にガスを集めたガス惑星となりました。木星や土星も、中心には金属の核があって、ガスだけでできてるわけではありません。
更にその外側の天王星や冥王星もガス惑星ですが、太陽からかなり離れていて低温の為、ガスである水素や炭素などは、メタンの氷の状態になっています。
ただ、この「太陽に近い星が岩の星」という理屈は全ての星に当てはまるっているワケでもないらしく、恒星のごく近い場所に、木星型の惑星が回っている恒星系があります。恒星からの放射エネルギーにも耐えるほどの重力を持っているのか、これからガスが吹き飛ばされていくのかは調査・研究段階です
(※なんか最近になって、太陽系外惑星の観測から、全然別のメカニズムで惑星系が作られている可能性が出てきました。)
さて、地球上で「水素が燃える」というのは、2個の水素原子と1個の酸素原子が燃焼、つまり酸化で結びつく事です。水素(H)が2個と酸素(O)が1個結びついて、H2O、つまり水になります。これが地球上での水素が燃える基本的な理屈です。
一方、やはり水素を主な”燃料”としている太陽では何が起きているのかというと、水素原子が別の水素原子と合体変形!みたいな事をする「核融合」が起きています。
1個の水素原子ともう1個の水素原子が核融合を起こすと、陽子の1つが中性子に変化して、1個の陽子と1個の中性子でできた原子核の周りを1個の電子が回る、「重水素」という物質に変わり、同時に陽電子と素粒子を放出します。陽電子は周囲の電子と対消滅を起こして、ものすごいエネルギーに変わります。
次に、この重水素1個と水素1個が核融合して、陽子2個と中性子1個の原子核の周りを2個の電子が回る、ヘリウム3へと変化し、またものすごいエネルギーを放出します。
更に、このヘリウム3と水素が核融合すると、陽子2個と中性子2個の原子核の周りを2個の電子が回る、通常のヘリウム4(He)に変化し、余りとして陽電子を放出、またものすごいエネルギーに変わります。あるいはヘリウム3とヘリウム3が核融合をすると、ヘリウム4が1個、水素が2個と、ものすごいエネルギーになります。こうして、最も単純な(軽い)原子である水素が、次第に複雑な(重い)原子に変化していきます。
この「ものすごいエネルギー」が、太陽が燃えているように見えるエネルギーの正体とも言えます。太陽は「燃焼」しているのではなく「核融合」をしているのです。
で、見ての通り、太陽はまだ全然燃え尽きる気配がありません。それは核融合がものすごいエネルギーを出す割に、ものすごく効率が良いからです。もし、こういうエネルギーがあれば世界はエネルギーに困らなくなるんじゃないか?と思いますが、実際に核融合エネルギーによる原子力発電は研究されています。(現在の原子力発電は、重い原子が軽い原子に変わろうとする核分裂を利用しています。)
核融合は得られるエネルギーも膨大な分、制御もものすごく難しいので、まだまだ実用化までこぎつけるのは先の話でしょう。
尚、太陽は現在46億歳ですが、あと50億年位したら、核融合もやり尽くして重たい物質(鉄とか)ばかりになって核融合反応がなかなか先に進まなくなり、重い自分自身を支えきれなくなった挙げ句に「プシュ〜」としぼんでしまいます。この後には白色矮星と、ガスの星雲が残ります(多分)。
ちなみに、もう今まさに燃え尽きる寸前なのが、オリオン座のベテルギウスだったりします。(こちらは超新星爆発の予定)
地球上に、見ての通りけっこうな量の鉄や銅がある事を見ても、地球というか太陽系の材料は、一度超新星爆発を起こしている星の残骸だと考えられています。つまり太陽は第2世代の主系列星、という訳です。
比較的流星の数が多い、と言われる流星群でも、だいたい平均すると1分間に1個ほどの割合にしかなりません。少ないものだと1時間に5個流れるかどうか、です。しかし、「平均して」の言葉の裏を読むと、コンスタントに流れるわけではなく、全然流れない時と、集中して流れる時があります。特に、一度に集中する時を「突発」とか「バースト」などと呼びますが、この瞬間、流星雨になる事があります。いつ、それが起きるかの予測はできません。
しかし比較的最近、「ダストトレイル理論」(別名アッシャー理論)という物が確立してきて、一部の流星雨なら予測できる様になってきました。
ダストトレイルとは、過去に彗星が通過して、宇宙空間のその軌道上に塵を撒き散らして残していった道の跡の事ですが、流星群という現象が、過去に彗星が残していった塵の跡に地球の公転軌道が交わって地球が突入した時に、その塵が大気圏に突入して起きる現象だとすると、この塵の跡が濃厚な部分に突入した時には、流星雨が起きる可能性が格段に高くなる訳です。これは過去の彗星の軌道と、その周囲の各種要素から計算で求める事ができます。
事実、2001年のしし座流星群で11月19日未明、このダストトレイル理論によって予測通り流星雨が発生し、好条件だった日本各地で流星雨が朝日が昇るまで観測されました。(朝日が昇る直前の青空にも、流星が流れるのが何個も見えた位です)
この理論を用いれば、ほとんどの流星雨が予測できそうに見えますが、実際には予測されていない突発も何度か観測されています。特にバーストは、おそらくは1個の隕石が分解して多数の流星になった物(だから”バースト=破裂”)ですから、これの予測はまず不可能でしょう。
ダストトレイル理論は一気に実績を作って予想手段として定着してきたので、流星雨の予測も増えてくるでしょう。
その水素やヘリウムが集まって恒星になって、核融合の結果、酸素や炭素、窒素など、今の地球人が生まれるための元素が作られました。宇宙空間には、少なくとも生命体の材料はいたる所に存在します。
また、地球人として宇宙を初めてまともに観測したのがガリレオ・ガリレイだったとすると、それは西暦1609年、ほんの400年前の事です。しかし、地球上の大型生命である恐竜の歴史は2億5000万年前から始まっています。魚類に関しては5億年前です。ガリレオが望遠鏡を宇宙に向けた時から計算すると、地球上の動物でも、その歴史の1/100万以下しか直接には観測できていません。
地球の生命ですらそうなのですから、今現在までの観測だけで、この宇宙に、地球以外に生命はいない、と考える事の方に無理があります。いくつも火星に降り立って調査している火星探査機も、火星表面、あるいは地中に生命(微生物・バクテリア等)あるいはその痕跡・化石が無いか調査しています。
確実に見た人がいない→だからいない、と考えるのは、ブラックホールは見ることができない→ブラックホールは存在しない、と考えるのに等しいでしょう。(言うまでもなく、現在ではブラックホールは間接的観測で確認できます)
かと言って、「UFOは宇宙人の乗り物だ」と決めつけるのは尚早です。YesにしてもNoにしても、検証・観察して、きちんとした裏付けのデータを得ないうちは、仮説は仮説でしかありません。
ですから、今の段階では「いるだろうとは思われるが、結論づけるデータは無い」状態です(いないと結論づけるにも、そのためのデータが必要です)。もっとも、地球と全く異なった星の異なった環境で進化した知的生命体が、地球人と同じ、目が2つで鼻と口があり、2本足で歩いて手は物を持つ事に特化している、というのも都合が良すぎる、とも考えられますが。
別の星に地球人とコンタクトできるだけの知的生命がいる確率を考えるために、ドレイク方程式というものがあります。少しめんどくさい方程式ですが、参考にしてみると面白いでしょう。
尚、今現在「SETI」という名称で、Search for Extra-Terrestrial Intelligence、つまり地球外の知的生命を探す、というミッションは実際に行われています。
レンズというのは、プリズムの一種ですから、そのまま光を屈折させると、色を分解させてしまいます。具体的には、赤い色がレンズから遠く、青い色がレンズに近い位置で焦点を結んでしまうので、そういう単純なレンズで望遠鏡を作って恒星などを覗くと虹色に見えたり、月の縁に赤や青の色が滲んで付いてしまいます。これを色収差と呼びます。
これを、屈折率の違う素材によって、凸レンズや凹レンズをうまく作って組み合わせる事で打ち消そうとしたものがアクロマートです。
このアクロマートを更に進化させたものを「アポクロマート」と呼びます。EDレンズは最近の代表的なアポクロマートで、アポ=EDと混同して呼ぶことも多くなっています。(本来はEDアポ、等と呼ぶべき所ですが。)
たまに、ディスカウント中国製品に「高級アクロマートコーティング」などと記載されている物がありますが、上記の通り、アクロマートはコーティングの種類でもなければ、コーティングでどうこうできる物でも無いので、この表記はインチキという事になります。(ノンコートのアクロマート、という物も存在します。)
レンズの焦点距離÷レンズの口径=F値、なので、絞りによって口径を可変できるカメラレンズは、絞り環目盛りにF値が書いてありますね。(F5.6とかF8.0とか)
一般に「明るいレンズ」「暗いレンズ」というのは、このカメラレンズの絞りを開放した時、どれだけの口径が得られるか、つまり開放F値を指します。口径が大きければ、それだけ光を多く取り込めますから、シャッター速度も速くできます。直接的に「明るい」という表現になります。
一方の天体望遠鏡は、基本的に口径は開放のままですから、いわゆる「Fが明るい」というのは、「焦点距離に対して口径が大きい」事を示します。短焦点の鏡筒を「Fの明るい鏡筒」と呼ぶことがよくありますが、正しくは「焦点距離の割に口径の大きい鏡筒」と考えるべきでしょう。
一眼レフを使った経験のある人なら直感的に理解できると思いますが、レンズの焦点距離は、ほぼ倍率の意味になります。35mm換算50mmレンズが通常1倍(裸眼とほぼ同じ)ですから、35mm換算300mmのレンズなら6倍です。
(35mm換算とは、撮像面を35mmフィルムの大きさに換算して、の意味です。仮に全く同じレンズを使っていて、撮像面が35mm判より小さいと、その小さい撮像面の部分をトリミングして拡大するのと同じで、相対的に大きく写ります。判りやすく例えると、35mm判なら3人が並んで写れるのに、撮像面が小さいために真ん中の1人しか写れない、でも出来上がってくる写真のサイズは同じなので、撮像面の小さいカメラは結果的に真ん中の1人だけを拡大撮影したのと同じ事になる訳です。デジタル一眼で広く用いられているAPS-Cサイズのカメラに50mmレンズを付けると、35mm換算で75〜80mmと、約1.5倍の焦点距離相当になります。)
望遠鏡の場合は、鏡筒自体の焦点距離は当然固定になりますが、「レデューサ」というリレーレンズをカメラ(またはアイピース)の前に付けて、擬似的に焦点距離を短くする事ができます。これによって、焦点距離が短い=倍率が低い=写野が広い写真が撮れます。逆に焦点距離を伸ばそうと思ったら、「エクステンダ」あるいは「テレコンバータ」「バローレンズ」を使います。口径は固定でも、合成焦点距離を変化させればF値は当然変化します(カメラのズームレンズも変化しますね)。しかし、やはり「明るい鏡筒」と呼ぶには、基本的に”焦点距離に対して口径が大きい事”が前提でしょう。”口径に対して焦点距離が短い事”とは(数値的には同じ意味でも)違うと考えた方が、理解はしやすい筈です。要は口径です、口径。
ネコの瞳が、昼間に細く、夜に丸くなるのも同じです。
で、人間の瞳というのは、一般に「完全に開いた時、だいたい直径7mm」と言われていて、これを基準に「瞳径」を決めています。つまり、(理屈の上では)人の目は、"完全な暗闇"にいる時には、瞳径は7mm、という事です。
(※ただし、歳をとるに従って瞳が開かなくなるとか、人間の瞳が完全に開くのは死んだ時くらいだ、とも言われていますし、個人差もあります)
双眼鏡の特性の一つとして、大きさ(口径)と射出瞳径が目安とされます。
射出瞳径とは、接眼部から見た時、見える像の大きさが何mmで出てくるか、という、意味通りの事で、双眼鏡から少し離れて覗くと、接眼部に●の形に像が見えます、その●の直径です。
この射出瞳径が7mmあれば、人間の瞳径と照らし合わせても、目の能力を一番引き出せるもの、と言われます。
もっとも、これは目安でしかありません。
夜間、星を見る場合には、射出瞳径7mmの双眼鏡より、射出瞳径4mm程度の物の方が、星や星雲が見やすく感じる事もあります。これは、星以外の人工光(=光害)も射出瞳径7mmの双眼鏡は律儀にかき集めてしまい、その中に淡い星の光が埋もれてしまう事がある為です。
ただし環境省による、光害地と無光害地でどの程度星の見える数に差が出るか、という全国規模の観測(スターウォッチング)では、光害も律儀に集める射出瞳径7mmの双眼鏡の使用が基準機器になっています。
射出瞳径=口径÷倍率、です。
7×50(7倍で口径50mm)の双眼鏡なら、50÷7≒7、で、射出瞳径7mmです。
10×50の双眼鏡なら、50÷10=5、で5mm。8×42の双眼鏡なら、42÷8=6、で6mm、という具合です。
この計算式は天体望遠鏡にも当てはまりますが、双眼鏡と違って、(極低倍率での使用時以外では)ほとんど語られる事はありません。
対物レンズ(主鏡)の面積÷瞳の面積=集光力、で、「集光力=(肉眼の)○○倍」という風にカタログには記載されています。
仮に口径80mmの鏡筒の場合、瞳径は前述の通り7mmを基準としますから、対物面積は半径402×π、瞳面積は半径3.52×π、となります。(402×π)÷(3.52×π)=(1600×π)÷(12.25×π)=1600÷12.25=130.612244…≒131、となり、集光力は肉眼の131倍、という事になります。(まぁ単なる比率なので、単純に口径2÷瞳径2で計算しても答は同じですが。)
これも、あくまで目安として考えた方がいいでしょう。レンズは、光を100%透過しませんし、鏡も100%反射する訳ではありません。これを、いかに100%に近づけるか、というコーティング処理や研磨精度で、同じ口径でも見てわかる程に差が出るからです。非常によく出来たレンズは、まるでそこにレンズが存在していないかの様に透明です(それでよくイタズラで指紋が付けられる訳ですが…)。コーティングのコストを省いた、あるいはコーティングをしていないレンズは、明らかにそこにガラスがあるのが分かります。金色というか、オレンジや赤にキラキラ光るルビーコートレンズなどは、既に何をしたいのかわかりません。
面白い事に、高倍率を宣伝文句にするダメな望遠鏡は、倍率と同時に、この集光力もよく宣伝文句に利用します。倍率と同じで、単なる計算式で求められる数値だからです。
口径が分かれば集光力も自動的に分かりますから、必要以上に集光力に注目する必要は無いでしょう。実際、中央遮蔽があって口径から求められる面積が100%出ない筈の反射鏡筒でも、口径だけから集光力が計算されてカタログ記載されています。
計算式は、θ=(光の波長λ×1.22)÷口径mm、という具合です。口径が大きくなる程、分解能θの値は小さくなっていく=細かく分解できる様になります。これにR=λ÷Δλ、という回折格子による分解能の式も組み合わせたりします。
が、これまた口径を用いた単なる計算式で、現実に望遠鏡の性能を直接表しているわけではなく、単なる理論値です。
これに近い計算式に、ウィリアム・ドーズの限界式という物があって、ε=115.8秒÷口径mm、という式になりますが、これは理論値ではなく、実際に色々な口径の望遠鏡を使って取ったデータから導いた経験則を数式にした物です。実際にはどちらかというと、このドーズ式から導かれる分解能(の限界)に対してどの程度か、を、望遠鏡の性能の指針に用いる事が多いでしょう。
このドーズの限界に当てはまる離角の二重星をテストスターとして口径順にリストアップしておき、この二重星がちゃんと分解できるか、で実際に確認します。実際の実視テストで確認するので、マニア間では有効な手段として使われています。もちろんドーズの限界を越える性能を持つ望遠鏡も存在します。(余裕で脱落の望遠鏡も当然存在します。)
光を曲げる時に、鏡による反射を使うのが「天頂ミラー」で、プリズムよる全反射を利用するのが「天頂プリズム」です。読んで字の如く、です。
天頂プリズムの場合、プリズムに光が入射する面、全反射する面、出射する面と3ヶ所の精度が必要であるのに対して、天頂ミラーは反射する鏡の面だけなので、表面精度の管理がしやすい一方、プリズムがそれ自体の特性で反射するのに対してミラーは表面のメッキで反射するので、メッキの劣化を考える必要はあります。
ただ通常、天頂ミラーと天頂プリズムを選び分ける場面は、それぞれの必要光路長を考えた場合でしょう。
ところがプリズムでは、入口(バレル)→入射面(プリズム表面)+出射面(プリズム表面)→出口(バレル)、となり、プリズムの中を光が進んでいる分は距離として含みません。なぜ、と言われても、それがプリズムの特性だからです。
つまり、普通に望遠鏡にアイピースを取り付け、ピントを合わせた時のドローチューブの繰り出し量が30mmだったとして、これに必要光路長35mmの天頂ミラーを取り付けると、ドローチューブを全部縮めても、あと5mm奥に行かないとピントが合わない計算になります。しかし、必要光路長が25mmで済む天頂プリズムなら、逆に5mmの余裕を残してピントが合う事になります。
実際の必要光路長はこの例よりも差がありますが、具体的な数値は製品によって違うので、一概に何mm、とは言えません。しかし、一部のアイピースでは、天頂ミラーではピントが出なくて天頂プリズムならピントが出る、という事が実際に生じたりします。(鏡筒とアイピースの組合せによっては逆も有ります)
双眼装置など、それ自体が必要光路長の長いアクセサリを使う場合には、天頂プリズムを選択するのが無難です。通常ニュートン反射鏡筒には使えない、と言われる天頂ミラー/プリズムですが、場合によってはプリズムなら使える事があります。保証はしませんが。(なぜニュートン反射に天頂ミラーやプリズムが使えないのかと言えば、構造的に屈折鏡筒のようにドローチューブを長くできないからです)
正立プリズムは、一部のタイプを除いて天頂ミラーより更に必要光路長が長くなるので、鏡筒によってはピントが全然出なかったりします。購入する際には事前に確認しておいた方が良いでしょう。
一方、一眼レフを取り付けて天体写真に挑戦しようと思った場合には、人間がファインダー(あるいはライブビュー)を見てピントを合わせる必要があります。
その場合、肉眼で望遠鏡を覗くよりも天体はかなり暗くしか見えませんから、いきなり撮影対象でピントを合わせようとせず、1等星など目立つ明るい星で一旦ピントを合わせてから、ピントがずれない様にして、撮影対象に向け直す方が早道です。
そのような場合には、カメラの前にエクステンダあるいはバローレンズ等のリレーレンズを入れてやると、ほとんどの場合でピントが合うようになります。但し、もちろんその分だけ倍率は上がります(合成焦点距離が伸びます)。
この問題を根本的に解決するには、接眼部を全長の短い物にまるごと交換してみるとか、アダプタ類を厚みを取らない様に設計された物にしてみるとか、鏡筒自体を短縮加工するとか、ニュートン反射鏡筒なら主鏡を若干底上げしてみる、などの方法があります。
写真撮影に使われる事を前提にした鏡筒や、フォーカス幅が広く取れるカセグレイン系鏡筒では、ほとんどこの問題は生じないと思われます。場合によっては、合成焦点距離を短くして(倍率を下げて)写野を広くできる、レデューサと呼ばれるリレーレンズが使用できる場合もあります(その場合、更にピント位置は奥にずれます)。
例えば小惑星が向こうの恒星を隠す恒星食なんかは、どれだけ観測における時刻が正確かで、小惑星の大きさの推測値が変わってきます。流星観測などでは、場合によっては1秒のズレで、他の流星と混同されてしまう事もあります。案外、天体観測データというのは時刻にシビアです。
一番手近なのは、その電波時計を利用する方法ですが、暗闇で観測中に使っても表示が見えない、というか、時計を見てる余裕があるわけが無い、という状況ですから、そういう場合は、音で時刻を知らせる時計が欲しくなってきます。
普通に考えるのは、NTTの「117」ですが、屋外で携帯電話を用いて117を聞くと、若干タイムラグが発生します。時報にタイムラグが発生されると困るので、これも簡易な方法としてしか使えません。
NTTの117の様に常に時刻を読み上げているわけではないので使い方には慣れが必要ですが、JJYも同じ様な形式だったので、さして問題は無いでしょう。
似たようなものに、JJYではなく、GPSの電波を利用するGPS時計(GHS時計)もあります。
精度的には簡易なものになりますが、パソコンの時計に合わせて時報を読み上げる「オフライン117」というフリーウェアもあります。聞いてると眠くなってきますが、流星観測の時にはけっこう便利かもしれません。