★しし座流星群、おうし座流星群の観測方法★ ↑TOPへ戻る

 2001年に日本全土に流星雨を降らせて一躍有名になった「しし座流星群」は、その名の通り、しし座の頭にあたる、通称「獅子の大鎌」と呼ばれる、?を逆にした様な形の星の並びの位置に輻射点を持つ、テンペル・タットル彗星を母天体とする流星群です。
 2017年のしし座流星群は月明かりの影響は無く好条件ですが、活発に活動するとの予測は特に出ていません。ただ写真に撮ると映える流星群なので、撮影にチャレンジしてみようという人はレンズの夜露対策などして臨んでみてください。

 おうし座流星群(南群・北群)は、あまり聞いたことが無い人も多いと思いますが、実際それほど活発な流星群でもありません。その代わり、比較的コンスタントに流れるので、ある意味しし座流星群よりも観測しやすいかもしれません。母天体は3.3年周期のエンケ彗星です。
 おうし座の場所はわからなくても、すばる(プレアデス星団)は、ちょっと暗い場所なら誰でも見つけられる筈です。この付近に輻射点があると思われる流星を、おうし座流星群としてカウントして下さい。極大日は一応ありますが、比較的長期間安定した活動を見せる様です。

 しし座流星群とおうし座流星群は活動時期が重なっていますが、あくまでも「獅子の大鎌」を中心とした線上に流れるのが「しし座流星群」、牡牛座を中心とした線上に流れるのは「おうし座流星群」ですので区別して下さい。どちらでもない向きに流れたものは、普通の流星(散在流星)としてカウントします。
(しし座流星群は、色が特徴的なので判別しやすいですが、希に輻射点と全く関係ない方向から、しし座流星群と同じ色を持つ流星が流れる事があります。これも一応、散在流星とカウントして下さい。)

 流星群は時期で区別される物ではなく、輻射点によって区別されます。輻射点とは、流星経路の延長線が集中する点の事なので、そこばかり観察していればマンガやアニメの様な流星雨が見られる、という訳では(全くもって)ありません。むしろ、経路の長い派手な流星は、輻射点から離れた所によく流れます。
 流星は空のどこを流れるか予測がつきませんから、流星観測の基本は、できるだけ空全体を見渡せる場所・姿勢、つまり周囲が開けた場所に寝転がって行います。暗くできるなら、無理せず自宅の庭やベランダでも構いません。複数の人数が揃う場合には、南側担当とか北側担当、などの様に観察する方向を分担して、可能な限り死角を無くします。データを取るのが目的でなければ、同じ方向に並んで寝転がってもいいでしょう。
※流星が流れる度にキャーキャー騒ぐと非常に迷惑ですので気を付けて下さい。
 流星観測に天体望遠鏡は通常は使用しません。基本は肉眼、補助的に2〜8倍程度の双眼鏡を使う程度です。双眼鏡の倍率はどちらかというと低い方が役に立つでしょう。特に「流星痕」という明るい流星・火球の後に残った”光りつづける痕跡”が発生した時に活躍します。(流星を探すという目的ではほとんど使用しません。)ナイトショット機能のあるビデオカメラで、広角ズームで広い範囲を撮影し続けると、思わぬ記録が残せる事もあります。
 いずれにしても、流星観測はけっこう根気勝負ですので、楽な姿勢を保てつつ、暑くもなく寒くもない服装で、蚊や他の害虫などの対策をして観測して下さい。

星のFAQの方も参照してみて下さい。

流星群の起きる原理(ジャコビニ彗星の例)

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