★天の川を観察してみよう★ ↑TOPへ戻る

 天の川が見えて当たり前の場所に住んでいる人の中にも「天の川を見たことが無い」という人は想像以上に多いですが、多くは「天の川はどうすれば見えるのか」を勘違いしていたり、間違えてたりする場合です。
 天の川の観察には特別な道具は必要ありません。そのかわり、「ちゃんとした夜空」が必要です。

 下の図は、宮崎市で8月10日の22:00頃に「もし、街明かりや月明かりで空が照らされていなかったら」という仮定での天の川のイメージです。天の川というのは、このくらい巨大なものなのです。
 右側の画像は天の川のみ強調して明るくしていますが、環境・条件によっては、このくらい明るく見える場所(場合)もあります。

 ↓は全天表示(星座早見盤みたいなもの)で見た場合のイメージです。南の空のさそり座のあたりから、北北東の空にあるカシオペア座までずーっと伸びています。

 天の川は「夏の夜空」「冬の夜空」(というより「夏の星座」「冬の星座」の空)で見ることができますが、春や秋には見えないのかというと、実はその時には天の川は地平線付近にあります。なので天の川が無い(見えない)んですが、夜更かしをしていれば春でも夏の星座が、秋でも冬の星座が昇ってきますから、春や秋でも見ることができないという訳ではありません。

 今まで天の川を見た事が無いという人の多くは、街明かりの多い、「暗くない星空」を見上げているか、家や建物・車から出てすぐの、ライトの光に慣れたままの「暗闇がよく見えない目」で見ている場合です。
 とても空気の澄んだ快晴の夜空+街明かりの少ない場所+暗闇にきちんと慣れた目=天の川が見える、と覚えておけばまず大丈夫です。
 外灯を設置しないと防犯の問題があるから、どんどん外灯を付けて街を明るくすべきだ!という人の意見はよく目にしますが、空から泥棒が飛んでくるような事はまず無いので、照らすのは人が歩く「外灯の下」になる様に考えて設置し、「外灯の上」の『空』を照らさないように考えなくてはいけません。必要のない場所までむやみに照らしてしまうのは「光害」という環境破壊になり、自然界の生物にも様々な悪影響があります。気をつけましょう。

by StellaNavigator/AstroArts Inc.

 また、基本的に天体望遠鏡などは天の川の観察には必要ありませんが、双眼鏡があると天の川が星の集まりである事がよくわかり、目が慣れていれば星雲や星団もいろいろ見つけられて非常に楽しく観察できます。
 双眼鏡は8倍以上の物は倍率が高すぎて手に持ったまま星を観察するのには向きません。7倍(7×50など)のものか、できれば6倍(6×30など)あるいはそれ以下の低い倍率のものを使うのが『天の川散策』のコツです。
 天文FAQの天の川の項目も参照してみて下さい。

↑TOPへ戻る